ギターの木材
ソリッドボディエレキギターの木材はトーンに影響するが、初心者の場合はピックアップほど大きな違いは生まれない。木材による音の違いについては意見の分かれるところで、明らかに変わると言う人もいれば、ほとんど変わらないと言う人もいる。ギターのボディで人気の木材は、マホガニー(上の写真を参照)、アルダー、アッシュだ。ネックには必ずと言っていいほどメープルが使われる(頑丈で、加工がしやすく、手に入りやすいため)。指板もメープルが多いが(明るいため)、落ち着いた音色のギターになるとエボニー、パーフェロー、ローズウッドなどが使われることもある。手頃な価格帯や初心者用のギターは、ボディにバスウッドやアガチスがよく使われ、パインを使ったものすらある。
現実的な予算
ギターの木材についてある程度ポイントがわかったら、次は予算について考えてみよう。初めてのギターに大金を払う必要はないが、出来ばえや弾き心地の悪い楽器は、ずっと弾き続けたいと思えないだろう。大ざっぱに言うと、だいたい20,000円からが「毎日弾ける」レベルの品質になり、60,000円以内であれば「初心者用」の範囲に収まるだろう。驚くほど安い楽器でも、たまたま出来のいいものが見つかることもある。その弾き心地や音色を気に入れば、パーツごとに改良していくのも楽しい。それを趣味にしている人もいるくらいだ。だが一般的には、楽器の購入は自分自身への投資だといえる。今回選ぶのは自分の目標を達成するための道具であることを忘れてはいけない。
*中国製、韓国製、インドネシア製のギターには手頃なものがたくさんある。その中から自分のギターが見つかるかもしれない。 *
初心者用ギターには、メキシコ製、韓国製、インドネシア製、中国製が多い。メキシコ製は若干高いが、特に初心者用ギターとしては2~3倍の値段になるアメリカ製や日本製と比較した場合、相対的な品質が評価されている。きみがギターを初めて買う学生なら、友人などを通してたまたま安く手に入る場合を除き、そこまでの品質は求めなくてもよいだろう。金をかけるのは、自分がギターを弾くのが好きだとわかってからでいい。だが、特売セールや幸運な巡り合わせで高品質のギターが手に入るチャンスがあるなら、もちろん問題ない。是非とも手に入れよう!
実際に弾いてみる
オンラインで楽器を買える店はたくさんあるが、何を買っていいかわからないときは、実際に手にとってみることがとても重要だ。地元の楽器店に行って楽器を手に取り、音を出してみよう。曲が弾けなくても問題ない。
楽器を選ぶときに手触りは何より重要だ。
あり得ないと思うかもしれないが、人間工学を無視することはできない。ブランド、ピックアップ、そして予算にかかわらず、きみが求めるものはきみの手が知っている。曲が弾けなくても問題ない。まずはネックを持ってみよう。ネック背面の曲線や形状は、製作者やデザインによって大きく異なる。実際の触り心地はどうだろう?光沢あるウレタン仕上げもあれば、くすんだサテン仕上げもある。どっちがいいだろう?ストラップで肩から吊り下げたり、座って膝の上に乗せてみたりするのもいい。バランスや重さはどうだろう?服やアクセサリーと同じだ。自分に合っていることが重要だ。初めてギターを触る場合はぎこちなさを感じて当然だが、ピックアップ、チューナー、アンプのトーンといった他の要素と違い、こうした物理的要素は調整ができない。ネックを持ったときに、自分の手の延長ではなく、こん棒のように感じられる場合、あるいは厚い板を持たされているような辛さがある場合、きみにそのギターは合っていない。人間工学的な判断が何よりも重要なのはこういう理由だ。
弦とフレットの間隔は、ギターの弾き心地に影響する。
人間工学的要素でもう一つ重要なのが、ギターのセットアップだ。少し専門的に説明すると、指板と弦の距離を弦高といい、これが高すぎると弾きづらく、低すぎれば「バズ音」が出る。弦高はいくつかのパーツを微調整して変えられる。腕のよい修理業者に頼めば、5,000~7,500円で最高の弾き心地に調整してくれるだろう。店で売っているギターがすべて完璧に調整されていると考えないほうがいいが、調整が必要なことを理由に気に入ったギターを諦める必要もない。値段交渉ができるなら、調整を一緒に頼んでしまうのも一つの手だ。
実際に感触を確かめた後は、Amazon、Musician's Friend(米国の小売チェーンGuitar Centerと同じ会社が運営)、Music 123(米国のみ)などで、膨大な数のギターを見ることができる。英国の場合は GuitarGuitar、Gear4MusicやAnderton's、欧州の場合はThomann.deも利用できる。また、Reverb.comでは、多くの地元販売店や海外販売店の商品を見られる。忘れてはならないのが、近所にある独立系の楽器店だ。その道で生計を立てている親切で仕事熱心な店員に出会える可能性が高い。まずは地元の楽器店を訪ねてみよう。楽器販売よりも個人レッスンに力を入れている場合もあるが、どんなギターが置いてあるか確かめるには、まず行ってみることだ。
つぎのパートでは、1本目におすすめのギターとして、具体的なモデルを紹介する。さきにウィンドウショッピングしておいて、自分の好みと比較してみるのもいいだろう。(※各リンクから外部の英語ウェブサイトに移動します。※記事に記載されている価格は米国での実勢価格に基づいており、日本国内の小売価格と異なる場合があります。また、一部機材は日本で正規販売されていないものもございます。)
Dan Amrichは、 雑誌『Guitar World』と『Country Guitar』で音楽記者としてのキャリアをスタート。『Princess Leia's Stolen Death Star Plans』の共同制作者でもある。2014年、Rocksmithチームに加わった。
「Mahogany Wood Background #5」(著作者:Maliz Ong)はCC0 1.0ライセンスのもと使用を許可されています。
ヘッド、ネック、弦高の写真:Katrin Auch許諾を得て使用しています。
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