2016年10月20日、Ubisoftは、サンフランシスコにある伝説のスリムズでRocksmithの5周年を記念する無料コンサートを催した。ショーのトップを飾ったRocksmithコミュニティーの3人のプレイヤーは、プロのバックバンド付きでの初の生演奏を勇敢にも披露してくれた。リアルトーンケーブルもHDTVも使わなかった。Rocksmithのスター プレイヤーたちをスポットライトの下に送り込むのは、Rocksmithをプレイすることで現実のミュージシャンになれることを証明するスリリングな機会となった。なりたいと思えば、本当になれるのだ!
今年はその5周年記念コンサートから5周年。あの3人のスターに直撃して、運命のステージを終えてからの音楽の旅について聞いてみよう。
Audrey
Audrey Shidaは、幼い頃、YouTubeでRocksmithをプレイする姿を公開して一躍有名になった。うなるような素晴らしいデスメタル ボーカルを発し、ベースを演奏する妹のKateも一緒だった(「私に言わせると、あの子のシャウトが一番だと思うの!」とAudreyは言っている)。それでもオンライン上で家族と一緒にプレイするのと、フルバンドで演奏するのは別物だ。Audreyはあの時のことを振り返って次のように言っている。「本物のドラマーと一緒にギターを演奏したことなんてなかったから、リハーサルが始まると本当に緊張した。だけど他の人達ともっとよく喋ってみて、頭を切り替えようと思った。緊張するんじゃなくて、心から喜んでステージを楽しみたかったの」
あのショーの間、Audreyが緊張していたにせよ、誰もそのことには気づかなかった。当時若干13歳だったAudreyが、Living Colourの『Cult of Personality』を含む3つの曲で会場を熱狂させたからだ。それが終わると… Audreyは長崎の郊外にある小さな村での静かなティーンエイジャー生活に戻った。「演奏の後で家に帰ったら、ものすごいパーティーが待ってたわ。あのことは友達にも言ってなかったんだけどね。日本に住んでるし、私があのイベントに出たことは誰も知らないと思う」とAudreyは言う。
確かにあのコンサートはオンラインではなかったが、AudreyとKateは今も配信を行っており、オリジナルの曲をレコーディングし、リリースしている。「去年は合計で235曲を収録した5つのアルバムをリリースした。今年の夏には50曲収録した別のアルバムを出したわ」とAudreyは語る。このデュオはゲームや映画、アニメのサウンドトラックをいつか手掛けることを望んでいる。
これほどの偉業を達成してきてはいるものの、サンフランシスコでの厳しい試練は今でも特別な思い出だ。「あの日あのステージに立ってなかったら、私のギター スキルは今ほど上達してなかったと思う」というのがAudreyの言葉だ。
Tim
アイルランドに住むTim Porterは音楽への愛を長い間抱いてきたが、サンフランシスコでステージ デビューを果たすことになるとは思いもしなかった。今のTimはこう語っている。「招待を受けたとき、全世界が目の前に開かれたかと思ったよ。バンドに入ったこともなかったのに、プロのミュージシャン グループと一緒に演奏するチャンスが得られるなんて! やっぱりダメだって言われるんじゃないかと心配してたけど、飛行機に乗って出発するときは大喜びしてたね」
Timはベースとギターの両方を1人で演奏するミュージシャンだった。曲は、Muse、Philip Sayce、そして自分の不可能に挑戦するためだけに、Rushから選んだ。彼は次のように告白している。「『Subdivisions』の猛練習をしたんだ。もう2つの曲はそっちのけでね。もっと練習してれば、もっと上手く演奏できたと思う。バンドに入って音楽を披露したければ、懸命な努力と準備が必要なんだってことを心から学んだよ」
家に帰ったTimは友人達と共にRevival Modeを結成した。そしてやがてアメリカに拠点を移し、今ではSixteen Bulletsのメンバーとなっている。5周年記念の演奏はいくつかの忘れられない教訓と、生涯の思い出を与えてくれた。「本当に最高の時間だったよ。あそこにいた人達のことはほぼ全員覚えてる。みんな優しい心の持ち主だった。本物の興奮と情熱、そして誰かを支えようという思いをはっきりと感じたね!今でも思うのは、ドラマーに連絡して、Neil Peartのパートをやらせてごめんなさいって謝ることだ」
Myles
故郷のフロリダ州で音楽のチャリティー コンサート開催に尽力した、郊外暮らしの一家の父Myles Bristoweは次のように語る。「Rocksmithの5周年記念の演奏に招待されたときの興奮は忘れられないよ。我が家では3人の小さい子供が走り回ってるからいつも騒がしいんだけど、あの夜のあの瞬間、午後7時23分、少しの間静寂に包まれた。あの時、スマホが鳴ってTwitterのメッセージを知らせてくれたんだ。画面を見て、固まっちゃったね」
自分を感化させた70年代と80年代の音楽を学ぶためにRocksmithをプレイしたMylesは、Rocksmithコミュニティーで活躍する多くのプレイヤーの代表的存在だ。数ヶ月後、カリフォルニア州バークレーのファンタジー スタジオズでみんなの夢を叶え、ライブ バンドと共に、Def Leppard、Heart、Bon Joviの曲を演奏した。Mylesは当時を振り返って次のように言う。「リハーサル中は『Barracuda』のうねるようなギャロップが上手くできなくて、自分にがっかりしたね。だけどバンドの助けもあって、ステージでは全部きちんとこなせた」
あのショーはMylesにとって重大な出来事だったが、地元の新聞のインタビューによって、さらにおおごとになった。Mylesはニヤリと笑いながら語っている。「コンサートでは何の曲を演奏したんですかってレポーターが聞いてきたんだ。そのときはBon Joviの『It's My Life』だって答えたはずなのに、新聞に載った記事の見出しには『地元のギタリストがBon Joviと共演』って書かれてたんだよ」
それ以降もMylesはライブでの演奏を続けており、パンデミックによる制限がやがて解除されたらステージに戻りたいと思っている。だが、それ以外にも、ライブ音楽を楽しむ個人的なチャンスがMylesに舞い込んでいた。Mylesは言う。「2年前、息子が聞いてきたんだ。RocksmithのショーでEpiphoneの社長がくれたきれいなアコースティックギターを貸してくれないかって。演奏会であのギターを持つ息子を見られたのは素晴らしい思い出だよ。人生 に音楽をもたらしてくれたRocksmithへの感謝を忘れたことはない」
*Myles、Audrey、Timの写真:Katrin Auch。許諾を得て使用しています。 *
Dan Amrichは、雑誌『Guitar World』と『Country Guitar』で音楽記者としてのキャリアをスタート。Princess Leia's Stolen Death Star Plansの共同制作者であると同時にクリエイターやソングライターの顔を持ち、Hero Fallsの市長も務めている。2014年、Ubisoftのサンフランシスコ チームに加わった。
これは始まりにすぎない!Rocksmith+のパワフルな練習ツール、正確な音の検出、リアルタイムでのフィードバックを駆使して、なりたいミュージシャンになろう。