Y9S2におけるチート行為の増加を受け、今回のプレイヤー保護に関するアップデートでは、この状況を改善するための取り組みをご紹介します。私たちはチート作成者との一進一退の攻防を続けており、プレイヤーの皆さんとともに戦い続ける覚悟です。私たちは常に進化を続けており、チート対策に対する献身と熱意が尽きることはありません。
本アップデートの内容:
チート対策
- 暗号化 - バイナリハードニング:影響と取り組み
- QBシステム:進捗と取り組み
- マウストラップ:アップデートおよびPC版マッチメイキング
マッチのキャンセル3.0
- 5月と6月の新BANデータ
迷惑行為対策
- 学び
- 評判区分:変更点
- 評価システム:Y9S4でのアップデート
- さらなるアップデートと新機能
- ゲーム内プレイヤーの報告
チート対策
新たなチート対策チーム
Y9S1を経て、「シージ」のチート対策については、より長期的にさらに力を入れて取り組んでいく必要があると判断しました。この決定を受けて、チート問題とその対策により多くのリソースを割けるようチームを再編成しました。この新チームは、さまざまな分野のエキスパート開発者で構成され、前回のチート対策に関するステータスアップデートから対応可能な専門分野を増やし、「シージ」で発生するチート行為により多角的に対応できるようになりました。
コアストラテジー - 予防的保護と反応的保護
本チート対策の新戦略は、予防的保護および反応的保護の2つに大別されます。
__予防的保護__には、将来的または長期的な効果が期待される対策が含まれます。これらの対策によって、チート作成者の活動を妨害し、チートソフトの有用性が低下すると考えられます。暗号化とバイナリハードニングは予防的な対策であり、ゲームの保護を保証し、チートソフトの開発をより困難にするためのものです。この予防的対策によって、チート作成者を妨害し、チート行為を続けることを困難にします。
予防的保護で利用できるチートソフトの数を減少させたことで、__反応的保護__の取り組みを続けることができます。反応的保護では、予防的保護によって利用ソフトの選択肢が少なくなったチート使用者自身に影響を与える対策を実施します。ここではBattlEyeやQBシステムがチート行為を無効化し、チート使用者を追放します。
このように、チート対策チームは研究開発を通して、__予防と反応__の両方の観点でチートを撲滅する革新的なアプローチの開発に努めています。また、異常なゲームプレイの検出などを含め、反応的保護の一環として新たなデータポイントと検出機能を追加する予定です。
予防的保護
暗号化 - バイナリハードニング
Y9S1が開始してから、__セキュリティを強化するための暗号化とハードニング技術__を使ったゲームのコードベースのアップデートを行うための工程に着手しました。Year 9中にすでにいくつかのハードニングに関するアップデートを行なっていますが、これはより長期的な計画です。私たちが行うセキュリティアップデートはすべて、その都度有用なものですが、本プロジェクトは新たなチートの開発を難しくし、参入障壁を高め、現在進行中の、そして将来的なチート開発に最大の打撃を与えるためのものです。現在、暗号化とバイナリハードニングに注いでいるリソースは、未来の「シージ」のセキュリティの基盤となることが期待されます。
アップデートの分析
暗号化とバイナリハードニングによってもたらされる変化は、チート作成者の妨害役としても機能し、結果として、__シーズンアップデート、パッチ、ホットフィックスのたびにチートが不安定化__することになるでしょう。ゲーム内のチートに関する報告を注視しつつ、アップデート毎にチートが復活するまでの時間を綿密に分析しています。このような分析によって、チート対策チームはアップデートがどのように機能しているかや、どの変更がもっとも効果的だったかを把握することができ、各アップデートのパフォーマンスを評価するのに役立っています。
Y9S2でチート行為が増加:対策
Y9S2では、いくつかのチートが想定よりも早く復活したため、早い段階でチートが急増する結果となりました。また、この間、チートに関する報告も増加しており、プレイヤーたちがチート使用者と接触する機会が増加していたことを示しています。__ゲームのセキュリティを向上させるための新たな方法__を見つけながら、__今後のシーズンもハードニングに努める__ことを約束します。これこそが、短期的にも長期的にもチート使用者の存在感を薄くするためのキーファクターとなるでしょう。同時に、プレイヤーの皆さんには引き続き、チート行為が疑われる場合は報告いただくようお願いいたします。皆さんの協力が大きな力となります。
反応的保護
QBシステム - 拡張
QBシステムは、2022年後半に導入され大きな成果を挙げている独自開発のセキュリティシステムで、チート作成者を「シージ」から遠ざけることにつながっています。QBシステムの導入は「シージ」にとって非常に大きなものでしたが、チートのアップデートに伴い、当システムにおいても機能するチートが現れ始めました。したがって、その他のセキュリティシステムやチート対策システムと同様に、QBシステムも定期的にアップデートする必要があり、現在、対策チームはこの作業に注力しています。新チート対策チームは現在、チート作成者の撲滅に多大な役割を果たすことが期待できるQBシステムの拡張に取り組んでいます。現時点でその詳細を紹介することはできませんが、Y9S4にはプロトタイプのテストを実施できるよう準備を進めています。
QBシステムは、プレイヤーたちが今シーズン実感しているチート行為の増加を解消する上できわめて重要な存在であり、本システムのアップデートは引き続きチームにとっての最優先事項だと考えています。
マウストラップ - コンソール版でのマウス&キーボードの検知
マウストラップはY8S1で初導入され、入力偽装デバイスの使用を78%削減するという大きな成功を収めました。ただし、チート行為者がこのシステムを回避するケースも一部発生していたため、チームは各ケースの対策に取り組んできました。
現在、マウストラップについては、__検知能力に焦点を当てた継続的なアップデート__と、そのパフォーマンスのモニタリングを行なっています。今後は__検知可能なデバイスの種類を増やし、その精度を高められる__ように取り組んで参ります。
マウストラップ - PC版のマッチメイキング
以前にもお伝えしたように、Y9S4からマウストラップによる制裁システムの見直しが行なわれ、入力偽装デバイスの使用が確認された場合は、PC版のマッチメイキングに強制的に送られることになります。また、これらのプレイヤーは正式なPC版のフィールドで戦うことになるため、この場合にもPC版の反動が反映されるよう取り組んでいます。これによって、入力偽装デバイスを使用することによるメリットがなくなります。
マッチのキャンセル3.0
チート使用者に対するマッチのキャンセルが可能になる「マッチのキャンセル3.0」が__Y9S4__に実装されます。これによって、チート使用者が確認され、BANされると、そのプレイヤーが参加していたマッチは自動的にキャンセルされ、不正を行なっていないプレイヤーの不毛な時間を減らすことにつながります。
BAN - データ禁止処分 + BATTLEYE
BANに関するデータ
2024年のBANデータには5月と6月の新データが含まれます。
チート対策チームからのメッセージ
このゲームを愛する開発者、プレイヤーとして、私たちは__チート問題を最優先事項として対策に取り組んでいます__。「シージ」のような対戦ゲームにおいて、公平さは核となるものであり、より安全で、公平で、競争力のあるゲームにするために日々尽力しています。私たちのチームには、チート作成者やチート使用者との一進一退の攻防の中で、少しでも戦いを有利に進めるための熱意と専門性に溢れたメンバーが揃っています。現在進行中の戦略については、今後取り組みを前に進めていく中で徐々に情報を共有していきたいと考えています。
迷惑行為対策
迷惑行為のモニタリング
哲学 - プレイヤーを迷惑行為から守る
「シージ」における迷惑行為に関する取り組みのモニタリングと推進の手法を再定義しました。とはいえ、すべてのプレイヤーをゲーム内の迷惑行為から保護すること、そしてすべてのプレイヤーが納得する形で迷惑行為を定義すること、という点に主眼を置いていることに変わりはありません。
ゲーム内プレイヤーの報告
迷惑行為対策チームがプレイヤーの体験を把握する上で、ゲーム内のプレイヤーからの報告はきわめて重要な情報です。皆さんからの報告は、個人の行動パターンを一つ一つ把握するのに役立つだけでなく、プレイヤーの認識を通してゲーム内で発生している迷惑行為の現状を分析するのにも役立っています。したがって、その役割にふさわしい精度が保証されるように報告機能にも変更を加えていく予定です。
新たなマインドセット
学び
評価システムのベータ版が初導入されて以来、数多くの貴重なフィードバックを受け取ってきました。私たちは、これらのフィードバックから、迷惑行為に関連するすべての機能が透明かつ明確でなければならないことを学びました。そして、これが今も実現できていない課題であることも自覚しています。
皆さんのご協力のおかげで、迷惑行為対策機能をユーザーのニーズや感度にさらに寄り添ったものにし、公正で協力的な環境を育んでいく必要があることを学びました。このシステムが、プレイヤーを保護するだけでなく、誰もが容易に理解できるものであるよう引き続き取り組んで参ります。評価システムの第一の目標は当初から変わらず、極めて迷惑なプレイヤーや迷惑行為の常習者などからコミュニティを守りつつ、一貫してポジティブな行動をとるプレイヤーが報われるような環境を作ることです。
評価区分
したがって、プレイヤーの評価__区分__に関わる悪用可能な行動を削除していく予定です。また、悪用可能な迷惑行為対策機能も削除、またはアップデートしていきます。最終的に、自分の行動のみが自分に悪影響を及ぼす環境を目指します。
変更点:
- __[Y9S1]__他のプレイヤーによる未確認の行動に依存している可能性のあるテキストチャットとボイスチャットのペナルティを無効化。
- __[Y9S2.3]__標的にしたプレイヤーを追放するための悪用が可能なフレンドリーファイヤーによる除外を無効化。
- __[Y9S4]__評価システムに影響を与える悪用、または不正確な行為を除外予定。
- __[今後のアップデート]__チームメイト蘇生後のリバースフレンドリーファイヤーの無効化を削除(悪用可能なため)。
評価システム:Y9S4のアップデート
現行の評価システムは私たちが望む透明性と明確性の基準に達していないため、Y9S4__では__これの刷新を予定しています。その一環として、それぞれの行動がどのように区分に影響するかについての詳細を誰もが理解しやすい形で伝えられる新たな評価センターを設計しています。
マウストラップの組み込み
この新たな評価システムでは、__Y9S4__にマウストラップが組み込まれ、入力偽装デバイスの使用がプレイヤーの評価に影響を与えるようになります。
テキストチャットの自動モデレーション
__Y9S4__には評価システムに__AIを用いたテキストチャットのモデレーション__が導入されます。これにより、AIがすべてのテキストチャットメッセージをリアルタイムで分析し、問題のあるメッセージは検閲されたり、フラグが立てられたりします。メッセージは、検閲されたもの、フラグが立てられたもの、ポジティブなものも含めて評価区分に影響を与えます。
影響とフルリリース
評価システムのベータ版が終了しフルリリースが実現するまでは、評価区分に基づく影響が実際に反映されることはありません。また、評価システムの堅牢性に絶対的な自信が得られ、このシステムがすべてのプレイヤーにとって理解しやすく、透明で明確であることを確認するまでフルリリースが実現することはありません。以上を踏まえると、現時点でその日程を具体的にお伝えすることはできない状況です。
さらなるアップデートおよび新機能
ここでは、我々のチームが現在取り組んでいる、詳細を公開する準備が整っていないその他の迷惑行為対策をいくつかご紹介します。
コメンデーションとスクワッド
主にスクワッドでプレイしているプレイヤーにとってコメンデーションシステムがそれほど報われるものではないことは承知しており、これはこの機能のローンチ時に設けられたコメンデーションの上限が要因となっています。現在、この上限に変更を加えることで、スクワッドにとってより公平なシステムになるよう取り組んでいます。
ゲーム内報告機能の見直し
現行の報告システムは、報告の全体的な精度を下げるような使われ方をする可能性があります。このことを念頭に、将来的にこのシステムを見直す予定です。
ボイスチャットモデレーション
ボイスチャットの自動モデレーションは、私たちにとって極めて重要なトピックであり、準備が整い次第ゲームに導入します。
評価システムのその他のゲーム要素との依存性
評価システムはゲームのその他の要素とさまざまな依存関係にあります。不具合によって特定の行為が不当に受け取られたり、カウントされなかったりすることがあります。このような状況による影響が軽減されるよう、明確な対策と保護機能の開発に取り組んでいます。
今後に向けて
新たな戦略、最新の学び、そしてさまざまなアップデートと変更の計画によって、評価システムがプレイヤーにとって強力なツールになることを期待しています。私たちはすべてのプレイヤーが、自分が思うようにプレイするための力と知識が得られることを望んでおり、そのための明確なシステム作りに取り組んでいます。
いつもフィードバックをいただき、ありがとうございます。ここでご紹介したアップデートを皆さんにお届けできる日を楽しみにしています。