今回の「デザイナーノート」では、Y9S3のアップデートで実施されるバランス調整についての詳細と、その理由に関する情報をお伝えします。
バランス表とBAN率の高いオペレーター
勝利デルタ VSプレゼンス
オペレーターの人気を計る基準には、プレゼンスの値を参照しています。これはPick & Banの導入を受け、その影響を反映するために考えられた措置です。
プレゼンスの定義:BANされていない時のオペレーターのPick率を表しています。勝利デルタ:勝利デルタは、オペレーターの爆弾エリアあたりの勝利デルタから算出されます。
オペレーターのBAN率
オペレーターのバランス調整
DOKKAEBI
彼女については長いあいだ調整を行っています。すでにさまざまなアイデアを模索しており、Year 7に制作を開始する予定だったいくつかの変更も承認しました。ですが優先すべき事柄が他にもあり、彼女に関する進捗は常に遅れていました。このプロトタイプの目的は現在の状況を防ぐことでした。彼女の出だしの強さを抑えつつ、ラウンド終盤までのポテンシャルは強化し、戦略的にプレイすることで雪だるま式に力を発揮できるようにする。それが私たちの意図でした。しかし現在の状況をふまえると、この提案はもう理想的なものとは言えません。そのため私たちは、より抜本的な変更にフォーカスすることにしました。現存する問題や苛立ちを生む原因に対処できる変更を、今後のパッチで展開していく予定です。
それまでの間は、彼女のリソース管理に微調整を行うことで、彼女を相手にする際の苛立ちの軽減や、BAN率の抑制を行えると考えています。特に、スポーン直後のDokkaebiが防衛オペレーターにコールできないようにする変更は、全般的な印象を改善するはずです。
ロジックボム
- 開始時のチャージ数:0
- 補充時間:45秒
- 最大リソース:2
NØKK
以前にも触れたとおり、私たちはNøkkのプレイスタイルを強化するべくさまざまなアイデアを積極的に模索してきました。慎重に検討した結果、「静かな」アプローチからはいったん離れることにしました。私たちは「シージ」では音が重要な役割を果たし、常に注意を払うべきものだと考えています。さらに、静かな状態は闇雲な奇襲を促すため、襲われる側にとってはフラストレーションを感じやすく、戦略的アプローチとは言いづらいものとなっています。
そこで、Nøkkについては防衛情報ツールへの依存を軽減し、情報偽装に関する能力を強化することにしました。アビリティのゲージは、Nøkkにグリッチが発生するアクションを行った時にだけ消費されるようになります。この調整により、彼女は気づかれることなく継続的に敵を待ち構えることができ、防衛側に安全だという錯覚を与えることができます。Nøkkは爆弾エリアに乗り込んでターゲットを排除するだけでなく、移動経路の断絶や側面の監視にも秀でた存在となるでしょう。また、この変更によりNøkkは、アビリティを使い切る心配をせずに仲間と一緒に前進を続けることができ、1対1の状況と思わせて奇襲を仕掛けるのも簡単になります。
アビリティの各数値も調整しました。まず、リソースの最大値を減らしています。これは、この数値がアビリティでグリッチできる時間の長さと同義であるためです。上手くやりくりすれば、アビリティはラウンドの最後まで使うことができます。一方、アビリティの補充にかかる時間は伸ばし、無闇に使うことのデメリットを大きくしました。
この変更は防衛側のカメラすべてに影響を与えますが、最も大きな影響を受けるのはValkyrieだと思われます。これはカメラが弱いからではなく、より効果的なカウンターが可能になったからです。イーヴィルアイや防弾カメラは、見つけやすいため回避が比較的簡単です。しかしブラックアイは多くの場合に位置がわからず、アビリティが切れる頃にもブラックアイの有効範囲内にいることが多いため、対処がより難しくなります。
HELプレゼンス・リダクション
- 起動しても自動で消費されることはありません。グリッチしている間だけリソースを消費します。
- 最大リソース:10秒
- 補充完了にかかる時間:120秒
- 起動に必要な最低リソース:20%
SOLIS
Solisに対する変更の第2弾となる今回は、アビリティとリソース管理にフォーカスします。Solisの戦略的方向性に変わりはありませんが、リソース管理への注意がより求められるようになるはずです。
今回の変更点には3つの柱があります。1つ目は探知メカニクスで、SPEC-IOの探知エリアに調整を加え、ガジェットの探知は中央のエリアのみで行えるようになり、それだけではガジェットを特定できない仕様になります。この変更の狙いは、アビリティ使用時に集中力が求められるようにし、ガジェットの発見により多くの時間と注意力が必要となるようにすることです。
2つ目の柱はスキャン機能の見直しです。スキャンはオーバークロックモードと改められ、このモードを起動するとSPEC-IOのエネルギーが補充されて、中央エリアに入ったガジェットの種類が特定されるようになります。ラウンド中に使用できるオーバークロックモードの回数には制限があり、モードを起動すると停止することはできません。オーバークロックモードによってSolisには新たなカウンターができ、モードを起動するとSolisの探知範囲内にあるすべての敵偵察ツールに、彼女の存在を知らせる警告が入ります。このメカニクスの見直しはSolisのアクションに深みを与え、オーバークロックモードの使用タイミングの判断が戦況に大きな違いを生むようになります。
3つ目の柱は再度のバランス調整で、Y9S2にSPEC-IOの力を抑制するために行った変更の一部を元に戻します。私たちは今回の変更によって、基本ステータスを強化する余地が生まれると考えており、SPEC-IOの有効範囲はオリジナルの値に戻し、エネルギー量は増加させます。
今回の変更では大幅なバランス調整を行っており、将来的なSolisのパワーレベルを調整していきます。彼女のパフォーマンスについては注視していき、必要に応じて対応を行います。
このアップデートではさらに、これまでSolisにハードカウンターを受けていたオペレーター(Glaz、Jackal、Nøkkなど)に間接的なアドバンテージを付与します。基本的に着用型デバイスはその他の電子機器との区別が難しいため、それを使う攻撃オペレーターはデバイスを使いやすくなるはずです。この区別を行うにはオーバークロックモードを起動する必要があり、そうすると周囲の偵察ツールにSolisの居場所が伝わるため、リスクが伴うことになります。Twitch、Brava、Floresなどの特殊なドローンを使うオペレーターについても、その効果が表れるまで機能を判別できないため、この変更による恩恵を受けるはずです。
攻撃側と防衛側の関係に対するもう1つの大きな影響は、ディフューザーへの新たなアプローチです。オーバークロックモードを使わない限り、Solisはディフューザーが設置されたかを確実に判断できません。そのため攻撃側には、設置したように偽ったり、リスクを推し量ったりするチャンスが生まれます。
基本的に、未特定のガジェットを破壊しようとする行為はリスクとリターンが大きく変わり得るため、多くのオペレーターにとってこれはプラスに働きます。
SPEC-IOエレクトロセンサー
- SPEC-IOの基本的変更点
- 敵ガジェットの探知は画面の中央部分でしか行えない。
- オーバークロックモードを使うまでガジェットを特定できない。
- SPEC-IOの使用に必要な最低エネルギーが100%から50%に減少。
- スキャン機能をオーバークロックモードとして刷新。
- オーバークロックモードは画面中央にあるすべてのガジェットを特定する。
- オーバークロックモードは10秒間持続する。
- ラウンド開始時のオーバークロックモードのチャージ数は1。
- チャージは25秒ごとに追加される。
- マッチごとの最大チャージ数は3。
- オーバークロックモード中、SPEC-IOは警告シグナルを発する。
- Solisの探知範囲(12m)内にある偵察ツールにのみ警告が表示される。
ガジェットのバランス調整
クレイモア
敵の探知から爆発までにかかる時間は、防衛オペレーターにクレイモアを破壊する猶予、あるいは退避する猶予を与えています。クレイモアが窓に設置されている場合、敵は窓を跳び越える必要があり、着地寸前までオペレーターの足がレーザーに触れないため、これが特に顕著です。
爆発までの時間差をなくすと、上手く設置されたクレイモアの破壊を試みる行為や、足がレーザーに触れる前に処理するという行為のリスクが増します。その結果、クレイモアは側面の防衛にこれまでより大きな効果を発揮し、時間をかけて戦略的な設置をするプレイヤーが報われることになります。
探知システム
- 起動から爆発までの時間差を0.2秒から0秒に変更。
影響を受けるオペレーター
- Ace
- Ash
- Blackbeard
- Brava
- Capitão
- Flores
- Glaz
- Grim
- IQ
- Jackal
- Kali
- Lion
- Maverick
- Osa
- Sens
- Striker
- Thatcher
- Twitch
- Zero
- Zofia
感知アラーム
Sentryが使用可能なニトロセルと感知アラームの組み合わせについて、懸念を伝えるフィードバックが増えています。特に多いのは、自分がマップのどこにいたとしても、感知アラームのスコアシステムを参照することで、設置済みのニトロセルの起爆タイミングを推し量れるという点です。
データ分析によると、この組み合わせは決して頻繁に用いられる戦術ではありません。とはいえこれが苛立ちの原因になることは認識しています。そこで、敵が感知アラームを作動させた時のスコア付与をなくすことにしました。感知アラームの近くに設置したニトロセルについては、引き続き音を手掛かりに起爆することが可能ですが、スコアがなくなったことで、Sentryは音のみに頼らざるを得なくなり、より公平な状態になると考えています。
スコアリング
- 敵が感知アラームを作動させた際のスコア付与を撤廃。
影響を受けるオペレーター
- Alibi
- Castle
- Caveira
- Goyo
- Mira
- Rook
- Oryx
- Sentry
- Skopós
- Smoke
- Solis
- Tachanka
- Tubarão
- Wamai
武器のバランス調整
FMG-9
今シーズン、Nøkkには大きな変更が加えられ、この機会にFMG-9の反動を見直します。長時間の連射を行いやすくし、水平反動を抑制し、FMG-9の信頼性を高めるのが狙いです。この反動調整で武器が大幅に扱いやすくなり、Nøkkは長距離の狙いを維持しやすくなります。
反動 - PC
- 初弾の反動を軽減。
- 水平方向の反動を抑制。
- 長時間連射時の反動を安定化。
反動 - コンソール
- 横方向の反動を軽減。
影響を受けるオペレーター
- Nøkk
- Smoke
R4-C
R4-Cの装弾数を減らした目的は、Ashの全盤的な有用性と、リロードせずに交戦できる回数を調整することです。装弾数が減ることで慎重な弾薬管理が必要となり、長時間の射撃と決め撃ちが抑制されます。その結果、R4-Cを使う際はより正確な射撃が求められるようになります。
さらに、この変更によってR4-Cを他の選択肢(AshのG36C、RamのLMG-E)と差別化し、各武器の利点が再評価されるようにして、状況に合ったものを選べるようにします。
基本ステータス
- マガジン:装弾数が30から25に減少。
- 弾薬:マガジン6個を維持。銃弾数が181から151に減少。
影響を受けるオペレーター
- Ash
- Ram