2020 July 23

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テストグラウンド:戦闘システム改善のお知らせ

戦士の皆さん、こんにちは!

戦闘システム改善のテストグラウンドにつきまして、長らくお待たせいたしました。開発チームの在宅勤務体制への移行に伴い、5月は慌ただしい日々を過ごしました。この新たな体制への移行もひと段落したため、皆さんに最新のテストグラウンドのアップデートをお伝えします。

最初に、ご参加くださった皆さんに感謝申し上げます。今回の戦闘システム改善のテストグラウンドは、アクティブプレイヤーの25%に参加していただき、過去最高の参加率となりました!

また、テストグラウンドにおいてトーナメントを主催してくださったThe Arenaの皆さんにも感謝申し上げます。これは嬉しい予想外でした。このトーナメントはとても興味深く面白いものでしたし、今回の戦闘システム改善の方向性が正しく、「フォーオナー」の今後にとってプラスになるものだと自信を持つことができました。

今回のテスト結果

テストグラウンドでは、戦闘をよりオフェンシブにするために多くの変更を行いました。

  • 新システムでは、ネットワーク全体において戦闘がより速く感じられるようになります。

    • 対戦相手の入力タイミングによって生じる、戦闘動作速度の見かけ上のばらつきを削除しました
    • その結果、全ての戦闘動作において、アニメーションおよびUIの最初の100msは、ネットワーク全体において一貫してスキップされるようになりました(遅延やバッファリングによる影響はなし)
    • その結果、フェイントがより公正に感じられるようになりました
  • スタミナペナルティを削除しました

  • ダメージを調整しました(2週目における2回目のパッチ)

  • 弱攻撃と強攻撃の両方でリカバリーを正規化しました

  • 範囲攻撃を出しやすくなりました

以上の変更点の詳細については、こちらの過去記事をご覧ください。

テストグラウンドでのゲーム展開は、データによると予想通り今までよりもオフェンシブとなりました。全プラットフォームにおいて攻撃のヒット率が増加しており、中でもチェーン弱攻撃のヒット率が最も増加しています。チェーン強攻撃とスペシャル攻撃には大きな変化は見られません。

  • ニュートラル弱攻撃:

    • コンソール版のヒット率が53%から55%に増加
    • PC版のヒット率が50%から55%に増加
  • チェーン弱攻撃:

    • コンソール版のヒット率が61%から66%に増加
    • PC版のヒット率が57%から63%に増加
  • ニュートラル強攻撃:

    • コンソール版のヒット率が33%から35%に増加
    • PC版のヒット率が32%から33%に増加
  • 回避攻撃:

    • コンソール版のヒット率が38%から40%に増加
    • PC版のヒット率が38%から41%に増加

攻撃速度を上げることで、ほとんどの攻撃は反射的にブロックすることが難しくなりました。最も速い攻撃は、敵を「読む」(次の攻撃をあらかじめ予測する)ことでしかブロックできません。この変更に伴うプラス効果として、全体的にニュートラル弱攻撃の使用が減り、代わりにチェーン強攻撃の使用機会が増えています。チェーン攻撃、ニュートラル強攻撃、回避攻撃、スペシャルについては、ごく一部の攻撃を除いて大きな変化は見られません。

  • ニュートラル弱攻撃:

    • PC版での使用率が21%から23%に上昇
  • チェーン強攻撃:

    • コンソール版での使用率が12%から14%に上昇
    • PC版での使用率が11%から14%に上昇

プレイスタイルがよりオフェンシブに変化したことにより、アンケート結果では現行バージョンよりもゲームがオフェンシブになったという回答が大多数でした。 

アンケートの回答によると、スタミナペナルティの削除については圧倒的に好評でしたが、パリーペナルティの削除については、やや賛否両論の結果となりました。

ダメージの変更については賛否両論であり、第2週のパッチで多少調整を行いましたが、この結果は変わりませんでした。

より全体的に、ゲームプレイはテストグラウンドと現行バージョンのどちらが優れているかという質問については、PC版では圧倒的にテストグラウンドの方が好評でしたが、コンソール版では賛否両論でした。

アンケートによると、プレイヤーの皆さんから報告をいただいた主なストレス要因は「弱攻撃スパム」に関するものでした。これはコンソール版とPC版のどちらでも顕著な問題でした。

テスト結果に基づく改善

統計データと定性アンケートのフィードバックの分析を終えた結果、今回の変更点については多くの回答者の方から好評をいただいていますが、満足いただけなかった方にも耳を傾ける必要があると感じました。そのため、テストグラウンドでの変更点をすぐには実装しないことに決めました。

特定のスキルレベルにおける「弱攻撃スパム」に関する不満は、今回のテストグラウンド以前から把握していた問題です。ローンチ以来、様々なプレイヤーの方からこの不満が寄せられてきました。また、攻撃速度が低速(約600~700ms)の場合や、高速(約400ms)の場合も同様の不満がありました。相手からの攻撃には全て反撃できるようにしたいというプレイヤーの方にとって、必ず一定のフラストレーションが生じてしまうことは承知しています。プレイヤーの攻撃には有効な威力を持たせたいですが、それと同時に、一部のプレイヤー層にとって威力が高すぎると感じられてしまう状況を減らしたいとも考えています。プレイヤーの皆さんには、弱攻撃とボタン連打を正式な攻撃手段のひとつとして使っていただきたいと考えています。これにより、プレイヤーが戦闘システムや新ヒーローを色々と試せるようになりますし、戦闘もさらにダイナミックになります。もちろん「弱攻撃スパム」は高レベルのコンペティティブプレイヤーにとっての必勝法ではないことは理解しています。ただし「弱攻撃スパム」が一般のプレイヤーにとって効果的すぎるものにはしたくないとも思っています。今回の調整で弱攻撃がより公正に感じられるものとなるでしょう。

弱攻撃のさらなる公正化

一般プレイヤーレベルにおいて弱攻撃をより公正に感じられるようにするためには、まず戦闘システムにおける弱攻撃の役割を、強攻撃と対比させて明確にする必要がありました。理論上では次のようになります。

  • 弱攻撃: 高速、ブロックが困難、敵の防御を崩すための手段
  • 強攻撃: 低速、ブロックが容易、ダメージを与えるための手段、フェイント

この2種類の攻撃をそれぞれの目的に合わせるためには、弱攻撃のダメージ、スタミナ消費、リカバリーのタイミングを適正な比率に調整する必要があります。今回はこれらのパラメータのテストを繰り返すことになります。

ダメージ

ダメージに関しては、弱攻撃と強攻撃のダメージを、それぞれの攻撃で想定される目的に合わせて全体的に調整しました。全体としては、弱攻撃のダメージがやや弱体化されますが、その一方で強攻撃(特に強攻撃フィニッシュ)の高いダメージ数値に変更はありません。さらに、特定のヒーローにおいて一部の攻撃速度を調整しました。敵に攻撃を当てられる性能を弱体化させ、「弱攻撃スパム」の問題を減らすことが目的です。

これからは「弱攻撃スパム」をされた場合でも、受けるダメージは今までより少なくなります。

スタミナ

現行バージョンでは、敵が弱攻撃を全くブロックできなかった場合、一部ヒーローにおいて、さほどスタミナを消費せずに敵をキルできてしまう問題がありました。今回の大型戦闘アップデートでは、弱攻撃のスタミナ消費を6から12に増加させることで、弱攻撃を全くブロックできないプレイヤーを倒す際の有効性と能力を弱体化させます。

ブロック、ミス、パリーのスタミナペナルティの削除は、投げ攻撃がより快適に感じられるようにする上で重要なステップであるため、変更はありません。これは「フォーオナー」をよりプレイしやすく、ダイナミックにする上で非常に効果的な変更と言えるでしょう。これらのスタミナペナルティを削除しても、弱攻撃のスタミナ消費を全体的に増加させることで、低めのプレイレベルにおける有効性を制限できるはずです(それに、以前はヒットによるスタミナペナルティはありませんでした)。これで、ブロックを行えないプレイヤーでも、アップデート以降は現行バージョンよりずっと快適に戦えるようになります。

タイミング

タイミングは、ゲームをさらにオフェンシブに感じられるようにするうえで重要な要素です。新システムにより、ニュートラルゲームが現行バージョンよりもダイナミックに感じられるようになったとの確信が持てました。

ですが、現行バージョンでは一部の攻撃が速すぎたため、その攻撃速度を落とす調整も行います。例として、ニュートラルの400ms攻撃を弱体化して500msに延長します。さらに、大蛇は弱攻撃スパムに関する不評が特に多いキャラクターでした。そのため、大蛇の一部弱攻撃と強攻撃フィニッシュを弱体化します。

今回の変更で、大部分の弱攻撃→弱攻撃チェーンを回避できるようになり、さらに大部分の弱攻撃チェーン終了後に有利フレームが生じるようになります。これは「弱攻撃スパム」への対抗手段が増えるということでもあります。攻撃を回避したり、敵のチェーン終了後の有利フレームを使って巻き返しを図ることができるのです。これで連続「弱攻撃スパム」を防げるようになるでしょう。

今後の予定

以上の変更により、弱攻撃のリスク・リターン問題が解決されるはずです。プレイヤーの皆さんには、プラットフォームやスキルレベルを問わず、新しいオフェンシブなプレイスタイルに慣れていただけるものと思っております。

次回のテストグラウンドの実施予定はありません。今回のテストグラウンドで、解決すべき問題点を特定するために必要なデータが十分に得られたとの確証があるからです。以上で述べてきた変更点は、大型戦闘アップデートとして2020年8月6日(現地時間)に実装予定です。アップデートのリリース後は状況を注視し、必要な調整をなるべく速やかに行えるよう心がけます。また、皆さんのフィードバックを参考にさせていただきたいと思いますので、ぜひご意見をお聞かせください。

チーム一同、今回の変更点の実装に向けてとてもワクワクしています。このアップデートで、「フォーオナー」がより公正かつダイナミックになり、プレイと観戦がさらに楽しくなるものと期待しています。特にコンペティティブにおいて効果が期待できるでしょう。

今回の記事で取り上げた変更点は、大型戦闘アップデートの一部に過ぎません。8月6日(現地時間)までの間に、さらなる詳細を紹介予定です。続報にご期待ください!