パブリックテスト – メタアップデート
2月にフォーオナーがリリースされて以来、次第に防御とカウンター攻撃が効果的に使われるようになり、攻撃側が防御側に比べて不利に感じられるほどになりました。この現象はタートル/防御メタと呼ばれています。この数ヶ月、私たちは攻撃と防御のバランスを改善するために様々な変更を試みてきました。変更点については内部テストや、コミュニティのプレイヤーを招いたワークショップでテストしてきました。これらの変更は戦闘システムの根幹に影響を与えます。そのためパブリックテストは、オンラインで大規模なテストを行い、フィードバックとデータを集めて、変更が良い影響を与えられるかどうかを調べる絶好の機会です。
このパブリックテストで導入される内容は、私たちが取り組んできた変更の第1弾です。この数ヶ月の間に他にも数多くのテストをしてきましたが、攻撃と防御のバランスを改善する過程で、ゲーム全体に悪影響を及ぼしたり、一部のコミュニティに偏った修正をしたくはありません。そのため、変更は段階的に導入し、都度影響を見極めてから次に進もうと考えています。つまり、これは最終的な修正ではなく、タートル/防御メタ問題対策の第一歩とお考えください。
変更は主にパリー、ガード崩し、スタミナ、削りダメージ、反撃の5つの要素に焦点を当てています。これに加え、ちらつきと、デュエルでの逃走をしにくくするための変更もテストします。
パリー
パリーはゲームにおいて最良の防御方法の一つです。ガード崩しを確実に行うことができ、それだけで多くのキャラクターは確実に大ダメージを与えることができ、さらに周囲の環境によっては敵を倒せることもあります。パリーの見返りが大きいため、多くのプレイヤーは自ら攻撃を仕掛ける代わりに、相手の攻撃を誘って、ダメージを与えようとします。これを念頭に置き、パリーで生じるフレーム優位を調整します。
変更点:
- 弱パリーのフレーム優位を強パリーに合わせて短縮
- ガード崩しが確定ではなくなる
- パリーが早すぎると、確実に無防備になる
弱パリーと強パリーのフレーム優位を同じにします。高いレベルでは、弱攻撃も容易にパリーされるためです。さらに弱攻撃はフェイントできないため、その安全度を上げるのも狙いの一つです。
ガード崩しは引き続きリーチに応じてつなげられますが、カウンター攻撃を受ける可能性があります。パリーのメリットをなくすことはしませんが、その見返りが大きすぎるために、攻撃することが大きなリスクにならないようにしたいと考えています。
最後に、ヒット/ブロック後の安全なパリーの選択肢を取り除きます。組み合わせによっては、ヒット/ブロック後の状態では次の攻撃を受けるまで自分からは攻撃ができないため、強攻撃を連打して次の攻撃を安全にパリーすることが可能です。つまり早く押しすぎても攻撃を発動してしまうリスクを冒さずにパリーができてしまいます。テクニカルテストでは、パリーが早すぎると必ず無防備になるように変更されています。
ガード崩し
ガード崩しは現在ゲームで最も強力な動きで、どのキャラクターにとってもリカバリー中の主要なダメージ源です。高いレベルでは頻繁にカウンターを受けますが、より低いレベルではそうではありません。カウンターの難易度を調節しようとしましたが、それでは大多数のプレイヤーにとって難しくなるだけで、高いレベルではほとんど違いが生まれないという問題があります。
さらに、ガード崩しは数多くの遅めの攻撃を潰せます。これにより、集団戦闘で周囲からガード崩しを連続で行い、攻撃の始動を邪魔するような状況が生まれてしまいます。攻撃の始動時間には、その長さによってガード崩しを受ける時間枠があり、始動時間が長ければ長いほどガード崩しを受けやすくなります:
- 始動: 0-700ms - ガード崩しを受ける時間: 0-100ms
- 始動: 800-1000ms - ガード崩しを受ける時間: 0-400ms
- 始動: 1100-1300ms - ガード崩しを受ける時間: 0-600ms
- 始動: 1400-…ms - ガード崩しを受ける時間: 0-800ms
変更点:
- 全ての攻撃 – ガード崩しを受ける時間: 0-100ms
この変更により、800ms以上の攻撃は読み合いやリアクション中にガード崩しに負けることがなくなり、安全性が高まります。これは同時に、フェイント>ガード崩しという流れが、パリー狙いの誘いに対して効かなくなることを意味します。
スタミナ
スタミナは現在、主に攻撃側によって消費されるもので、防御側はブロックや回避をしながらスタミナ競争では優位に立つことになります。さらに、相手がスタミナ切れの場合、それを利用することが難しいことがあります。私たちはスタミナ切れになることのリスクを高めたいと考えています。
変更点:
- ブロック/回避時のスタミナ自動回復が一時的になくなる:
- 左右回避、前方ダッシュ: 最初の400msスタミナ自動回復なし
- 後方回避: 最初の600msスタミナ自動回復なし
- ブロック阻止*: 最初の300msスタミナ自動回復なし
- 通常ブロック**: 最初の500msスタミナ自動回復なし
スタミナ切れのプレイヤーが攻撃を受けやすい状態になる:
- 弱攻撃をブロックすると阻止ではなく通常ブロックになり、敵は弱攻撃のチェーン攻撃を続けられる
- パリー不可
- 回避とダッシュは200ms長くなり、ガード崩しを受けやすくなる
- 回避とダッシュからディフレクトやスペリオルブロックといった防御特性を削除
- スタミナ切れで近接攻撃を受けてもスタミナは減らず、自動回復が一時的に停止するように変更
スタミナ切れの相手に対する攻撃を、より有利にしたいと考えています。スタミナ切れの状態をより弱くすることでプレイヤーにプレッシャーを与え、スタミナ管理を重要な要素にしたいと考えています。スタミナを消費する代わりにスタミナ回復を止める措置は、強制的にスタミナ切れを起こせないようにするためです。
*ブロック阻止は攻撃を弾きます。弱攻撃がブロックされると生じます。
**通常ブロックを受けても攻撃の流れは止まらず、連続攻撃を続けることができます。
削りダメージ
削りダメージは、攻撃をブロックした際に受けるダメージです。フォーオナーでは、通常ブロック時のみ削りダメージを受けます。現状削りダメージは攻撃の2%、5%、10%と攻撃によって幅がありますが、全ての攻撃をブロックしても良い程度の、わずかなダメージです。
変更点:
- 攻撃の削りダメージを全て18%に増加
この変更によりブロックで時間を稼ぐことができなくなり、著しい量の体力を失うようになります。ただし、削りダメージによって死ぬことはありません。
反撃
反撃状態も変更の対象になります。最近反撃の溜まる割合を変更したので、反撃状態の強力さも調整すべきだと考えました。
反撃状態の再調整において重要なのは、近接攻撃の役割です。近接攻撃は現在、反撃状態で非常に強力ですが、反撃状態に対しても非常に有効です。反撃状態のウォーロード/ヴァルキリー/コンカラーに何度もバランスを崩されると対処がとても難しく、反撃状態は蹴ってくるセンチュリオンに囲まれると非常に不利でした。また、近接攻撃のあるキャラクターとないキャラクターの間で差ができていました。
変更点:
- 反撃の発動を近接攻撃で阻止できないように変更
- 近接攻撃を受けても攻撃の始動が阻止されないように変更
- 近接攻撃で敵のバランスを崩せないように変更
- 防御がHPの(50%から)70%に上昇
- 繰り出した攻撃がパリーできないように変更
反撃中の攻撃機会を増やし、攻撃時は近接攻撃を受けにくくしたいと考えています。集団戦闘ではヘッドバット/シールドバッシュ/蹴りの連発が減ると考えています。
反撃状態における最後の大きな変更点は、全ての攻撃をパリー不可にすることです。全体として、スタミナ切れと反撃状態の釣り合いを取ることが重要だと考えています。変更後の反撃状態は、相手がスタミナ切れで弱攻撃にブロック阻止ができず、パリーができない状態に似ています…
ちらつき
ちらつきは以前から確認されている問題です。これは弱>強または強>弱を素早く続けて押すことで、攻撃スタンスUIで敵に「フェイント」ができる事象です。問題の核心はとても単純かつ全般的なもので、入力のしやすさが関係してきます。2つのボタンをまったく同時に押すことは、特にコントローラーでは必ずしも容易ではありません。誰もが簡単に入力できるように、バッファを作り、ボタンがまったく同時に押されなくても範囲攻撃として入力を認識するようにしました。使いやすさを犠牲にせず、ちらつきを防ぐ方法も検討しましたが、いずれも設計上の、あるいは技術的な問題に突き当たりました。
変更点:
- 範囲攻撃の入力バッファの削除
今回のパブリックテストでは、前述のちらつきをなくすために範囲攻撃の入力タイミングを厳格にする方法をとります。ちらつきがなくなるメリットのほうが、範囲攻撃の発動条件を厳しくするデメリットを上回ると考えています。これはデータとフィードバックを活用して見極める予定です。
デュエル
デュエルにおける移動のしやすさから、一部のキャラクターは時間切れになるまで逃げ回り、容易に時間稼ぎができます。これは相手にとってはストレスで、見ていても面白くありません。
変更点:
- デュエルに「逃走阻止」システムを導入
- 時間切れの際は、残りHPの多いプレイヤーが勝者となる
「逃走阻止」システムはキャラクターの移動経路を追い、どちらが逃げていてどちらが追っているのかを認識します。いずれかのプレイヤーが長時間逃げていると判断すると、両プレイヤーに異なるブースト/ペナルティが付与されます。
逃走者:
- 移動スピードが20%低下
- 時間の経過とともに自動的にスタミナを消費
追跡者:
- 移動スピードが30%上昇
スピードのボーナス/ペナルティにより、追跡者は相手に追いつけるようになります。スタミナ消費ペナルティは逃走者への最終的な警告となり、戦闘を再開しなければスタミナ切れに陥ることになります。
逃走を制限する変更に加え、時間切れになった場合の勝利条件も変更し、残りHPが多いプレイヤーを勝者とします。このルールのほうが合理的で、1対1で戦うゲームで一般的に使われているルールですが、今回の逃走対策がなければ導入できないルールでした。
その他の修正
解除テクニック
- [不具合修正] Aで使用できる解除テクニックの削除
開発者コメント: Aで使用できる、最近確認された解除テクニックは、このビルドで解消されたと考えています。このビルドで全ての解除テクニックが解消されたわけではありませんが、発生率が大幅に減るはずです。
レイダー
- スタンピートチャージの始動からヒットまでの時間を(100msから)300msに変更
- [不具合修正] 壁へのスタンピートチャージにおける「ホスト」の優位性を修正
開発者コメント: レイダーのスタンピートチャージをダッシュからヒットさせることはとても難しく、平均的な移動力を持つキャラクターであれば、走り回るだけでチャージを避けることが可能でした。技の成功確率を上げるために、始動から100msでヒットするように変更し、これはネットワーク環境によっては始動と同時にヒットしているように感じられました。この問題に対処するため、スタンピートチャージの始動からヒットまでの時間を300msに変更します。さらに「ホスト」に壁に衝突させるスタンピートチャージを決めても毎回キャンセルされる不具合を修正しました。
ウォーロード
- クラッシュチャージの始動からヒットまでの時間を(100msから)300msに変更
開発者コメント: ウォーロードのクラッシュチャージはレイダーのスタンピートチャージと同様の設定になっていましたが、トラッキングなど他の性能のせいか、あまり目立っていませんでした。