16.June.2021

バチャータを読み解く、パート1:概要

リズム、それは音楽を構成する一つの要素であり、聴く者を踊り出したい気分にさせる。実際、ワルツ、サルサ、メレンゲなど、多種多様な音楽に共通しているのが、その音楽とともに楽しむダンスの名前で呼ばれていることだ。バチャータもその一つであり、今日のラテン音楽とダンスの中でも最もポピュラーなスタイルの一つでもある。20世紀前半、ドミニカ共和国で生まれたバチャータは、多文化的なルーツを持ち、ボレロソンのスタイルにアフリカ風のリズムを融合させている。

多くのラテン音楽において、リズムとは、とても複雑な構築物だ。同時に奏でられる複数の対照的なリズムのパターン、「ポリリズム」で構成されている。ポリリズムは拍そのものではなく拍の間にアクセントを付けるシンコペーションによるリズムを作り出し、曲に躍動感を与えて、聴いた者を体を動かしたくなるような気分にさせる。

[RS+] bachatadancers 960

バチャータのバンドには5つの主要な楽器がある。レキント(リード ギター)、セグンダ(リズム ギター)、ベース ギター、ボンゴ、ギラ(ブラシでこするメタル パーカッション)の5つだ。これらの楽器はそれぞれ異なるリズムを奏で、独自のリズムやシンコペーション、スウィングを付け加えるが、音楽のジグソーパズルのピースのように互いがピタリと組み合わさる。

バチャータ音楽は4/4拍子を活用するため、すべての小節に4つの拍がある。典型的な曲には3つの相異なるポリリズム、デレーチョ、マハオ、マンボが含まれている。それぞれのポリリズムには独自のリズム パターンがあり、曲の特定のセクションを別個にフィーチャーしている。例えば、デレーチョのリズムは曲のヴァース(導入部)で現れ、マハオは一般にコーラス(サビ)で現れる。マンボは、ブリッジやインタールードでフィーチャーされ、曲中で最もエネルギッシュなこのセクションで、ミュージシャンはパフォーマンスを見せつけて、ソロを演じる。

5つの楽器は、バチャータの曲のデレーチョ、マハオ、マンボにおいて、それぞれ固有の役割を果たす。あるセクションから別のセクションへのリズムの変化はさりげなく、さらにオーバーラップすることもある。だが、各楽器の役割に対する理解を深めるほど、その変化がわかるようになっていくだろう。

シンガーソングライター兼俳優のRomeo Santosは、今日におけるバチャータの最も有名な演奏者の1人として知られている。2017年の彼のヒット作『Héroe Favorito』は、ヴァースのデレーチョ、コーラスのマハオ、そしてソロ セクションのマンボという伝統的なバチャータの構成を忠実に守っている。パーカッションのセクションは、曲があるセクションから次のセクションへと移るときのリズム的なバックボーンになっている。ポリリズムとは何か、そして、ポリリズムがバチャータ音楽においていかに欠かせないものか学び始めるのにうってつけだ。次回は、Santosのトップチャート シングルにおけるパーカッションの別の側面を読み解いていきたい。(※各リンクから外部の英語ウェブサイトに移動します。)

Leila Abdul-Rauf、カリフォルニア州オークランドを拠点とするマルチプレイヤー、作曲家。メタルバンドのVastumHammers of Misfortune、 エセリアル ポストパンク バンドTerebellumでギタリスト兼ボーカリストを務めている。また、自身の名義と、エレクトロニック トリオIonophore、シンセフォーク デュオFyrhtuで環境音楽の作曲・制作も行っている。各国でツアーも実施しており、余暇にはギターとボーカルの個人インストラクターをしている。

「Anthony Romeo Santos」(著作者:Alex Cancino)はCC BY-SA 3.0ライセンスのもと使用を許可されています。
「Bachata dancing」(著作者:Eltap18)は、CC BY-SA 4.0ライセンスのもと使用を許可されています。

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