今回の「デザイナーノート」では、4.3パッチに反映されるバランス調整についての詳細と、その変更の理由に関する情報をお伝えします。
バランス表とBAN率の高いオペレーター
勝利デルタ VS プレゼンス
オペレーターの人気を計る基準には、プレゼンスの値を参照しています。これはPick & Banの導入を受け、その影響を反映するために考えられた措置です。
プレゼンスの定義: BANされていない時のオペレーターのPick率。勝利デルタ: 勝利デルタ: 勝利デルタは、オペレーターの爆弾エリアごと勝利デルタから算出されます。
オペレーターのBan率
トラッキングの問題が続いているため、今回のデザイナーノートでは「BANなし」の詳細をお伝えできません。次回までに修正できるよう努めさせていただきます。
オペレーターのバランス調整
ASH
- ブリーチング弾の爆発ダメージ範囲を3.5mから2mに縮小
変更の対象となるプレイヤー層: カジュアル、トップランク、プロ
バランス表によると、Ashはその汎用性の高さから引き続き最高プレゼンスの攻撃オペレーターとして君臨しています。
特にブリーチング弾の爆発範囲の広さを活かすことで、最上階天井にあるKaidのエレクトロクロウといったガジェットを下から破壊できるため、効果的な対ユーティリティ戦力となっています。爆発範囲を縮小することで、その汎用性が他の攻撃オペレーターと同等になるよう調整しました。
BUCK
- ショットガンの合計弾薬数が26発から30+1発に増加
- ハードブリーチングチャージを追加(クレイモアを削除)
変更の対象となるプレイヤー層: プロ
BuckとSledgeのさらなる差別化を図り、破壊の達人としてのユニークな戦略性を強調するべく、ハードブリーチングチャージを追加し、ショットガン弾薬を増加させてユーティリティを向上させました。
スタングレネードとハードブリーチングチャージが組み合わさることで汎用性が増し、彼のプレゼンスが上昇すると見込んでいます。
ショットガンはSledgeのハンマーほど強力な武器ではないため、弾薬数を増加させることで余計に必要となる分(床の二層を破壊するには2回の射撃が必要)を補い、チームにBuckを加える有意性を確保します。
ECHO
- YOKAIドローンのジャンプのクールダウンを3秒から2秒に短縮
- ドローンが天井への貼り付きに失敗する際の所用時間を2秒から0.5秒に短縮
- ソニックバーストのクールダウンを20秒から16秒に短縮
変更の対象となるプレイヤー層: カジュアル、トップランク、プロ
本パッチではプレイの快適性向上に注力し、YOKAIドローンの操作感改善を試みました。
透明化できなくなった代わりに、YOKAIの反応性が高くなってキビキビとした操作感になっているはずです。これによってEchoは、ドローンをより積極的に使用できるようになります。
ELA
- コンカッション耐性を削除
- ダウン状態中に使える“追加”GRZMOTマインを削除
変更の対象となるプレイヤー層: カジュアル、トップランク、プロ
本パッチでは、ゲーム内ではっきりと説明されていない、バランスよりもキャラクター設定に基づいた“隠し”メカニクスの一部を削除しています。
テストサーバーでTachankaのテストを実施した際、この種のメカニクスに関してはコミュニティから多くの要望が寄せられました。昨年にはEchoの同種メカニクス(Dokkaebiのロジックボムとハッキングに弱く、IQのスキャナーで彼の携帯を検知できる)を削除していますが、この変更についてはポジティブな変化と受け止められています。
Elaにも同様のアプローチを試み、コンカッション耐性と“追加”マインを削除することにしました。この変更によって彼女の有用性やプレゼンスに影響が出ることはないと考えています。
また、これらの“隠し”メカニクスを削除することで、Elaの強みを損なうことなく、新規プレイヤーにも理解しやすいキャラクターにできると感じています。
KALI
- CSRX 300の基本ダメージを122に設定
- 25mまでは100%ダメージ、以降は35m地点で80%(97.6)まで直線的に減少
変更の対象となるプレイヤー層: カジュアル、トップランク、プロ
バランス表を見るとKaliのプレゼンスが低く、その原因の一部は武器の性能にあると思われます。
バランス調整に関するアンケートでは、“1発ダウン”メカニクスが苛立つ要素として複数回挙げられていました。このルールには例外があり(ヘッドショット、手足ヒット、極端に遠い標的)、それが混乱を呼んでいる可能性があります。
そこでこのルールを撤廃し、彼女のスナイパーライフルを通常の武器に変更して基本ダメージを増加させることにしました。今後は標的のアーマーおよび体力に対して、他の武器と同じ仕組みでダメージが発生するようになります(Rookにとっては、彼女に対するアーマーの有用性が増すため朗報と言えるでしょう):
- ボディショット1発でスピード3のオペレーターをキル
- ボディショット1発でスピード2のオペレーターをダウンさせる
- ボディショット1発でスピード1のオペレーターにダメージを与える
ただし、前述の例外の中でも手足ヒットだけは今後も存続させます。基本ダメージが上昇したことをふまえ、不正確な狙いにボーナスを与えてしまうことがないようにする方策です。以上のような変更であれば、この武器のロジックに沿う形で混乱を取り除けると考えています。
LESION
- T-5から1.5xスコープを削除
変更の対象となるプレイヤー層: トップランク
バランス表の彼の位置を見るに、Lesionはトップクラスのローマーとしてチームの大きな力となっているようです。
彼のメインガジェットは攻撃オペレーターを足止めしつつ情報を提供し、大きなマップ掌握力を持っています。加えて強力な武器も備えているため、スコープがなくてもずば抜けたユーティリティを誇ります。1.5xスコープを与える前からこのような状態でしたから、このスコープを削除することにしました。
彼のキル能力をわずかに低下させることで、他のローマーが活躍できる余地を拡大し、面白いローマーの組み合わせが登場することにも期待しています。
LION
- クレイモアを追加(ハードブリーチングチャージを削除)
変更の対象となるプレイヤー層: カジュアルおよびトップランク
ガジェット装備の一部をBuckと交換し、Lionがクレイモアを持つようになりました。コントロール重視のローマーである彼のプレイスタイルには、ふさわしい変更となるでしょう。
これまでハードブリーチングチャージが使用される頻度は高くありませんでした。この変更はLionプレイヤーにとって魅力的な選択肢になると感じています。
MELUSI
- MP5からアングルグリップを削除
変更の対象となるプレイヤー層: ランク
バランス表によると、Melusiは高いプレゼンスを維持しつつ勝利デルタも優れています。
アングルグリップを削除することで、彼女のプレゼンスは以前の値ぐらいまで低下することが見込まれます。彼女はチームの重要な戦力となっていますが、MP5があまりに強力なためローマーの役割を奪っていた部分がありました。
Melusiのガジェットについても、今後調整を行う予定です。ガジェットの調整にはより多くのインタラクションやテストが必要となるため、こちらはまだ時間が掛かります。一方アングルグリップの変更はすぐに行えるため、Melusiの優位性に手を加える短期的な方策としてこれを行いました。
MIRA
- VECTOR .45 ACPから1.5xスコープを削除
変更の対象となるプレイヤー層: トップランク
1.5xサイトで長めの距離にも対応できるようになった結果、MiraのBan率は極端に高くなりました。
サイトを削除することでキル能力を以前のレベルに戻しつつ、彼女の優れたユーティリティは維持していきます。この変更でBan率が低下し、活躍の機会が増えればと思います。
ZOFIA
- コンカッション耐性を削除
- 「ダイハード」を削除
- インパクトグレネードの爆発ダメージ範囲を3mから2mに縮小
変更の対象となるプレイヤー層: カジュアル、トップランク、プロ
上のバランス表にあるとおり、Zofiaは攻撃オペレーター中で2位のプレゼンスを誇ります。
Elaと同様、ゲーム内ではっきり説明されていないキャラクター設定由来の“隠し”メカニクスを削除します。Zofiaからはコンカッション耐性と「ダイハード」が削除されますが、彼女の強みやプレゼンスに影響は出ないはずです。
また、Zofiaはインパクトグレネードで最上階天井に設置されたガジェットを破壊できます。現状の高プレゼンスにバランス調整を加えるため、この爆発範囲を縮小し、下からの対ユーティリティ能力をわずかに低下させます。
#武器とガジェットのバランス調整
バリスティックシールド
- ガード崩しアニメーション中のカメラペナルティを削除(値を0に設定)
変更の対象となるプレイヤー層: トップランクおよびプロ
このメカニクスはもともと、シールド持ちオペレーターがガード崩しアニメーション中に素早く回転して攻撃を防げることへのバランス調整として導入されたものです。私たちはこの回転がプレイヤーの苛立ちの原因になっていると考え、シールド持ちオペレーターと相対しても危険しかないという感覚を軽減しようとしました。熟練のClash使いに苦戦した経験は誰にでもあるでしょう…
しかしコミュニティは時間が経つにつれて戦略を進化させ、このインタラクションはむしろ熟練シールドプレイヤーのプレイスタイルに合致する形となっていました。
これを受けバリスティックシールドからこの側面を削除することにしました。シールドプレイの重要要素を排除し、シールド使いプレイヤーに苛立ちを生むことは私たちの本意ではなかったからです。この変更によって、以前よりシールドが使いやすくなるはずです。
ハードブリーチングチャージ
- 設置時間を3秒から2秒に短縮
- 起動時間を6秒から5秒に短縮
変更の対象となるプレイヤー層: トップランクおよびプロ
サブガジェットとして登場して以来、ハードブリーチングチャージは攻撃側にとって便利な道具となっていたものの、私たちが考えていたほどの有用性は発揮されませんでした。
設置および起動時間を短縮することでその有用性を押し上げ、攻撃側にとっては使用時のリスクを軽減し、防衛側にとってはより素早い対応が求められるようにしています。
反動
- 次の武器の反動を改善: ARX、C8、M1014、TCSG12
変更の対象となるプレイヤー層: コンソール
引き続きコンソール版のコントローラー使用感(特にサイト使用時)を向上させる試みとして、一部の銃について反動の調整を行いました。これにより、コントローラー使用時に該当の銃を活用しやすくなります。
M1014およびC8で連射をすれば、集弾性が向上していることが分かるでしょう。同様に、TCSG12での連射も扱いやすくなっているはずです。ARXに関しては反動パターンを刷新して、銃弾が外側へ散らずにもっと中央に集まるようにしました。
これは現在進行中の議論と試験についてのトピックであり、これらの変更点はより大局的な観点の一部を反映したものとなります。今後もコンソール版のコントローラーの使用感と、どうすれば装備の使い勝手をさらに向上させられるかを引き続き検討していきます。
ワールドのバランス調整
事前補強済みハッチ
テストサーバーで試験を行った結果、屋上ハッチの事前補強というアイデアは見送ることにしました。
これはもともと、攻撃側と防衛側の衝突地点としてハッチをより興味深いものにできないかと考えた試みです。攻撃側にとってはハッチの突破が困難になり、防衛側にとってはハッチを防衛しやすくできるだろうと期待していました(Kaidを活用するなどして)。
防衛側のセットアップへの対応で攻撃側のリソースが既に枯渇しがちなメタゲームにおいて、問題になり得るだろうことは分かっていました。しかしハードブリーチングチャージの追加やHibanaの刷新によって、その問題は解決されるだろうと予測していました。
テストサーバーで試験した結果、次のことが見えてきました:
- 私たちの目標は多くのマップにおいて達成されていましたが、いくつかの理由でこれを安易に評価することはできませんでした。まず、テストサーバーのプレイヤー層が必ずしも現在アクティブなプレイヤー人口全体を反映するとは限りません。そして、テストサーバー上のアクティビティ量が、常に信頼できるテレメトリー結果を得るのに十分とは限らないのです。
- また、屋上ハッチの突破が特に重要となる一部のマップ(カフェ・ドストエフスキーなど)では、Hibanaなどのオペレーターがほぼ必須となっていました。
- 結果、導入に足る説得力は得られませんでした。寄せられたフィードバックの大半は否定的なもので、この変更のプラス面を認める意見は少数だったのです。
最終的にプラスよりもマイナス面が大きいと判断し、このアイデアについては見送りが決定しました。
テストサーバーで試験に参加し、建設的な意見を寄せてくれた皆さんに感謝します。いつもありがとうございます!
今回のテストは私たちにとって貴重な経験となりました。近い将来にも、こうした試みを実施する予定です。面白いアイデアがたくさん控えていますので、テストの際はぜひご協力ください!
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