目次 |
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1. サウンドに関する問題 |
2. 接続性 |
--- 2.1. 接続性全般 |
--- 2.2. 遅延に対する指針 |
3. チート行為と問題行動 |
--- 3.1. DDoS/DoS攻撃 |
--- 3.2. ブースト行為 |
--- 3.3. スマーフ行為 |
--- 3.4. 不完全なチーム構成 |
--- 3.5. 除外投票の悪用 |
--- 3.6. MMRロールバックに対する不満 |
--- 3.7. ストリーマーモード |
4. アクセシビリティ |
5. 煙の伝搬に関する問題 |
6. ドローンに関する問題 |
シージは長きに渡って続いているゲームではありますが、現時点においても完全には解決されていない問題が残っており、私たちはこれまでの数年間と変わらぬ姿勢で、このゲームの維持と成長に尽力しています。この間のコミュニティのサポート、ならびにゲームの発展に辛抱強く付き合ってくれている皆さんに改めて感謝を申し上げます。
このステータスレポートでは、長らくプレイヤーの懸念となっており、私たちにとっても重要かつ複雑な問題となっているトピックについて取り上げます。定期的に更新しているブログ記事「最優先課題とコミュニティの懸念点」では、現在発生している問題とそれに対する限定的かつ短期的な対応についてまとめています。このステータスレポートでは、長期に渡って残っている問題がなぜ解消されないのか、そして私たちが長期的な視点でどのような解決策を探っているかについて、開発現場の内情をご紹介します。
ここに取り上げるすべての問題が近日中に解消されるわけではありませんが、いくつかはすでに実用化に向けて動き出していますのでぜひご一読ください。
1. サウンドに関する問題
懸念事項: ここしばらくの間、ゲーム内のサウンドに関する様々な問題がプレイヤーにとって問題となっています。シージでは、3D環境における音の伝搬をよりリアルに再現することを目指し、非常に複雑なサウンドシステムを採用しています。このサウンドシステムの複雑さが、場合によってはプレイヤーに混乱や誤解を与えることに繋がっていました。例えば、音が特定の経路を通ってプレイヤーに到達していても、プレイヤーがその経路を認識していない場合があります(MAVERICKが開ける穴など)。また、こうした複雑性によって、頻繁に報告される音声の逆転現象や音声が再生されないといった不具合の原因特定が極めて困難になる場合がありました。
課題: このサウンドシステムでは、多くのパラメーター(プレイヤーの位置、環境、ゲーム状況など)を踏まえてプレイヤーに音を届けています。また、サウンドシステムと連携する新たな要素がシーズンごとに追加されており、こうした新要素も新たな不具合の発生を招きやすい要因となっています。
また、ここで考慮すべきもう1つの重要な要素は、シージの破壊エンジンが常に変化する動的な環境を作り出している点です。各ラウンドが毎回異なるものになるのは、様々な破壊状況に基づいて音の伝わり方が動的に変化するためです。この仕組みが、サウンド関連の問題の再現と修正をさらに複雑なものにしています。
シージにおける理想的な音の伝播は、聞こえてくるリアルな方向と位置がプレイヤーに動的に伝わることです。これは、マップを複数のスペースに区切り、あるスペースで発生した音を特定の接続ポイント(破壊可能な壁、床、ドア、窓など)を介して別のスペースへと伝播させることで実現しています。この伝播システムは、その時点でのマップの破壊状態に応じ、最適な経路を計算してプレイヤーに音を届けます。接続ポイントが対応する壁などに覆われているかどうか、音が通り抜けられる穴が開いているかどうかなどをアルゴリズムで計算し、最適な経路を決定します。そして、その情報を基に音が配置・調節され、プレイヤーが音の起点と距離を認識できるようになるのです。
今後: シージのサウンドをより良いものにするため、私たちは内部的に様々な措置を講じることで、サウンドの問題を特定・修正できる体制を整えてきました。まずは、エラーをより迅速に検知できるようにサウンドシステムを実装しました。これは、開発プロセスの早い段階でエラーを特定できるようにすること、そして再現が難しい問題をデバッグできるようにすることを目的としています。
次に、サウンドシステムと伝搬システムの状態を見直しました。その結果、音がパッケージ化されゲームに組み込まれるまでの仕組みをはじめとする、システムの大部分を再構築する必要があるとの結論に達しました。まずはシーズン3で、サウンドの再パッケージ化をリリースするところから始める予定です。ただし、サウンドの伝播とインタラクションを担うシステム全体の再構築は、Year 5中には完了しない大規模な作業になると見込まれています。
その間に発生する新たな不具合のうち、QCチームが再現に成功したものは順次修正していく予定ですが、再現できないケースがあるという問題こそが、音声の逆転現象や音声が再生されない不具合の修正を阻む大きな障壁となっています。こうした不具合はランダムに発生しており、一貫した再現性がないため、修正に向けた作業が非常に困難となるためです。とはいえ、サウンドの不具合の再現は今後も通常のプロセスの一環として継続し、可能な限り修正を進めていく予定です。また、この問題についてはコミュニティの皆さんへもご協力をお願いしたいと考えています。発生したサウンドの不具合を確実に再現できる方法を見つけた場合は、R6フィックスよりお知らせください。その際は、こちらから詳細を直接伺えるよう「ALLOW DIRECT CONTACT」にチェックを入れていただけますようお願いいたします。
2. 接続性
接続性には様々な分野の問題が関わっており、その範囲はインターネットサービスプロバイダー、バックエンドサービス(マッチメイキングなど)、ゲームサーバー、ゲームサーバープロバイダー、果てはDDoS攻撃などにまで多岐に渡ります。
2.1 接続性全般
課題: 私たちが提供するオンラインサービスは、ライブ・オンラインチームが24時間年中無休でモニタリングすることでゲームが常に利用できる状態を維持しています。チームは随時発生する品質の低下を常に監視し、可能な限り迅速に解消できるよう努めています。しかし、そのような体制を敷いていても、品質の低下は発生するものです。私たちが加えた変更によって発生する以外にも、第三者に起因するケースなど私たちの手が及ばない場合もあります。品質の低下が発生した場合は、プレイヤーへの影響を最小限に抑えながら、サービスを元の状態に戻せるよう全力を尽くしています。なお、ダウンタイムが長期間続く場合は、コンペンセーション制度も用意しています。
例えば、3月中旬から始まったステイホーム期間によってサーバーへの負荷が増加し、マッチメイキングとログインに関して品質の低下が発生しました。このサーバーへの負荷やプレイヤーアクティビティの増加に対応するために、私たちは以下のようなインフラの拡張を行いました。
- マッチメイキングデータの処理を担うサーバーの台数を倍増しました(サーバーにかかる負荷を分散させ、バックログの発生を防止しました)。
- サーバーインスタンスの異なるシャードを追加することで、データベースの容量を増加し、データベースの拡張性とパフォーマンスを向上させました。
- 「レインボーシックス シージ」のロードバランサーの容量を倍増することで、ネットワークトラフィックをより確実に分散できるようにしました。
以上の対応によって、このとき発生した接続性の問題はすべて1週間未満で解消することができました。
私たちのデータによると、通常、ランクマッチの97%はプレイヤー10人で開始され、98.5%以上のマッチは個々の接続切断、回線の遅いプレイヤーの除外、またはゲームサーバーのクラッシュが発生することなく正常に終了しています。下のグラフは、今年の初めからレインボーシックスで行われたマッチの総合成功率を示したものです(緑色)。
また、接続性に関して私たちの制御が及ばない問題の例は、グラフの青色の部分で示されています。これは、回線速度が遅いために除外されたプレイヤーが1人以上いたマッチを表しています。3月から始まったステイホーム期間により、世界中でインターネットの負荷が増加したことで、回線速度による除外率は倍増しています。これは、私たちには打つ手のない要素であると言えます。
今後: ライブ・オンラインチームは、常にシージにおけるサービスの質を改善する道を模索しています。シージのローンチから今日に至るまで、舞台裏でたゆまぬ努力を続けてくれています。
昨年は接続性のパフォーマンスと回復機能を改善する目的でゲームサーバーをLinuxに移行しましたが、今年は第三者のサービスが停止した場合に備え、回復機能をさらに向上させるための作業に着手しています。水平スケーリング機能とマッチメイキング時間を改善し、よりシームレスなメンテナンスを可能にするため、バックエンド全体をマイクロサービスベースの構造に移行できるよう取り組んでいます。ただし、ご想像のとおり、こうした変更には時間を要します。すべての処理がプレイヤーに意識されることなくシームレスに行われるよう全力を尽くしますので、こうした変更が反映されていく今後のアップデートにご期待ください。
2.2 遅延に対する指針
懸念事項: プレイヤーのPINGが一定時間しきい値に達した状態になると、そのプレイヤーはゲームから除外されますが、コミュニティから現在のしきい値が緩すぎるとの意見が上がりました。
課題: 現在のPINGのしきい値は、2015年のアルファテスト中に観測された値が基になっており、私たちがゲームに悪影響を与えるレベルと見なし、除外と警告の対象としている基準もそのデータに基づいています。PINGが110ms未満の場合は許容範囲と見なし、これを超える値についてはプレイヤーの行動に対して追加の検証が行い、除外するかどうかを決定しています。
今後: ゲームにおいては、全プレイヤーに対するプレイパフォーマンスの総合品質を維持しつつ、通常のゲームプレイの過程で起こり得る変動にも一定の柔軟性を保つことが求められます。私たちは遅延の削減を目的として、ゲームサーバーの設置地域を増やす計画を立てていますが、そのためには増設予定地域のプレイ人口を踏まえ、マッチメイキングの機能を維持しつつ相応の時間内にプレイヤーをマッチさせられるかどうかを適切に評価しなければなりません。また、これはインフラの提供者のキャパシティにも依存します(シージは現在、EU西部、EU北部、南アフリカ、香港、シンガポール、日本、オーストラリア、米国西部、米国東部、米国中南部、ブラジルにサーバーを設置しています)。今後設置地域を増やし、プレイヤーの平均遅延時間の減少状況を見定めたうえで、データを再評価し、PINGのしきい値に変更を加えることを再検討する予定です。
3. チート行為と問題行動
シージにおけるチート行為は、これまでもこれからも私たちの優先課題です。「最優先課題とコミュニティの懸念点」の最新記事では、ハッカー、チート行為、ロビーフリーズを緩和するために実施した短期的な対策の結果を簡単にご紹介しました。今後も、チート行為に対する私たちの取り組みを損なわず、実装された解決策に悪影響を及ぼさない範囲で、チート対策についてコミュニケーションを続けていきます。また、近い将来、チート行為に関するより長い形式の開発者ブログを作成することも計画しています。
迷惑行為についても、断固とした姿勢で対応する所存です。私たちは、プレイヤー間の健全な交流を重視し、ポジティブなゲーム環境を促進し、互いにサポートし合えるコミュニティの形成を目指しています。現在、ゲーム内の迷惑行為・問題行動を軽減するため、チャットのフィルタリング機能、ミュート機能、リバースフレンドリーファイヤー、すべてのチャットをオフにするデフォルト設定を導入しており、今後はマッチのキャンセル機能も実装を控えています。迷惑行為との戦いには、私たちとシージコミュニティとの連携が求められるため、今後も積極的な行動を奨励していきたいと考えています。
3.1.DDoS/DoS攻撃
懸念事項: チート使用者がシステムの脆弱性に付け込む新たな攻撃手法を見つけるため、DDoSによる問題は度々発生しています。
課題: 私たちはゲームをDDoS攻撃から守るために全力で対応しており、サーバーのおけるネットワーク異常やDDoS攻撃を監視するための専門チームも設けています。しかし、ケースごとに状況が異なるため、大抵の場合チーム内外の様々なパートナーとともに調査と修正を進める必要が出てきます。例えば、最近増加していたDDoSの関する報告は、実際にはゲームを妨害する別の手法であるロビーフリーズに関連したものでした。そこで、ロビーフリーズを行うプレイヤーを高精度で検知・追跡する手法を確立し、チート使用者と認定した場合は自動でゲームから除外するシステムを実装しました。
本件に関する補足情報として、システムがDDoS攻撃に遭った回数を表したグラフを以下に示します。
EMBER RISEのリリースに至るまでの数ヶ月で、DDoS攻撃の数は驚くほど急増しました。こうした攻撃を阻止するために、外部プロバイダーとの緊密な連携をはじめとする数々の措置を実施し始めたところ、DDoS対策が適用されて以降は攻撃と認められる件数がほぼ0にまで減少しました。
この状況は最近まで安定していたのですが、3月初旬からDDoSに関する報告が増加し始めたことから、いくつかの新しいDDoS技術が使用されていることが明らかになりました。
今後: 今後も、サーバーに対するDDoS攻撃の監視と調査は継続していきます。現在DDoSの専門チームは、発見した新手の攻撃を軽減する手段を外部のクラウドプロバイダーと共同で探っているところです。この問題に関する続報は、定期的に更新するブログ記事「最優先課題とコミュニティの懸念点」と、今後公開する予定のパッチノートでお知らせしていく予定です。
3.2. ブースト行為
懸念事項: ブーストは、不正または違法な手段で他のプレイヤーのランクを釣り上げる行為です。これは通常、スマーフやチートによってマッチメイキングシステムを操作することで行われます。
今後: チート使用者によってブーストされたアカウントを処理するために、チート使用者のBAN処分とMMRロールバックの実行を含む2ステップのシステムを用意しています。チート使用者がBAN処分を受けると、MMRロールバックが作動し、大幅にMMRが上昇したプレイヤーをかなりの確度でブースト使用者として特定することができます。こうしたブースト使用者のMMRはリセットされ、シーズンのプレースメントマッチをやり直さなくてはならなくなります。さらに、ブースト行為を減らすため、パーティーメンバー間で許容するMMR差に制限を設けました。
ブースト行為に対するもう1つの対策は、今後予定されているMMRの変更です。これにより、当マッチメイキングシステムはサーバーを変更した場合も地域ごとのMMRではなく、全世界におけるMMRに基づいてプレイヤーを適切に識別できるようになります(これにより、シーズンごとにリセットされたMMRで一定期間プレイできるようになります)。
実際のスキルレベルとMMRに乖離があるプレイヤーによって不公平なマッチメイキングが引き起こされないよう、今後も継続的に改善に取り組んでいきます。
3.3. スマーフ行為
懸念事項: スマーフは、実際のスキルレベルを隠すために新しいアカウントを使用し、マッチメイキングに不均衡を生じさせる行為です。当マッチメイキングシステムでは、クリアランスレベルやK/D、勝率の代わりに、MMRを使用してマッチメイキングを行います。MMRは、プレイヤーの対戦結果と敵チームのMMRを考慮したうえで決定されます。実際のスキルレベルを偽装するスマーフは、マッチの対戦バランスに影響を与えるうえ、その発生を検証する術もほとんどありません。
課題: スマーフ行為はゲーム業界全体が直面している課題であり、私たちのコミュニティでもプレイ体験を損なう問題となっています。
ユーザー調査チームは今後も本件の把握と分析に取り組んでいきますが、追跡に限りがあることも大きな課題となっています。スマーフを特定することは困難ですが、それを特定できるようにならなければ、スマーフに対応できるシステムに変更することもできません。現在、チームは利用可能なデータからスマーフを示唆する外れ値を検出しています。その間も引き続き、2段階認証などの手段を用いて複数アカウントの作成を阻止する対策を講じていく予定です。
3.4. 不完全なチーム構成
課題: チーム間でプレイヤー数が異なった状態でゲームが始まると、プレイヤーのモチベーションが大きく阻害されてしまいます。また、こうした不公平は私たちの掲げる公平でバランスの取れたゲームを楽しんでもらうという目標に反するものです。ランクマッチのプレイリストではプレイヤーが元のゲームに再参加することもできますが、常に可能なわけではありません。
今後: Year 5シーズン2では、新たにマッチのキャンセル機能を導入することを発表しました。これはシーズンの開始時には間に合いませんが、シーズン中には実装される予定です。
マッチのキャンセル機能の開発にあたっては、ロード後にゲームから退出したいプレイヤーによって簡単に悪用されないシステムを構築する必要がありました。マッチのキャンセルを妥当と見なせるほどチームが不利な状況に置かれているか――それを判断する基準を設定するには、様々な状況やパラメーターを検討しなければなりません。一時的な切断により再参加の機会を必要とするケースや、投票システムの機能の仕方などがその一例です。マッチのキャンセル機能は、キャンセルを妥当だと判断する基準がすべて満たされた場合に、不利な状況に置かれたチームにマッチをキャンセルする選択肢を提供するものです。この機能を、次シーズンにプレイヤーの皆さんに提供できることを楽しみにしています。
3.5. 除外投票の悪用
懸念事項: 現在ランクマッチでは除外投票を選択することはできませんが、クイックマッチにおいてはプレイヤーからこの機能の乱用に対する不満が度々報告されています。この機能の目的は、問題のある行動を取ったチームメイトを除外する選択肢をプレイヤーに提供することでした。しかし、一部のプレイヤーによって、この本来の意図を悪用した迷惑行為が行われているのが現状です。
課題: 私たちはこの機能がどのように悪用されているかを把握しており、除外投票のルールを再設計する必要があると考えています。この機能は複数の形で悪用されているため、現在様々なケースを理解するためにデータの評価を行い、こうした悪用を防ぐ方法を検討しています。手始めに特定の処分を受けているプレイヤーの投票を不可にするといった対策を考えており、現在シーズン4までに刷新することを目標に除外投票システムを見直しています。
3.6. MMRロールバックに対する不満
懸念事項: MMRロールバックに関して、チート使用者に勝利したプレイヤーもMMRがロールバックしてしまう点に対する不満の声がしばしば寄せられています。
課題: MMRロールバックの初回導入時に懸念していた問題は、チート使用者が負けたマッチがキャンセルされなかった場合、チート使用者がいることを知らなかったチームメイトが大量にMMRを失ってしまうという点でした。何も知らないチームメイトは、共に勝利したすべてのマッチがロールバックされ(よってMMRが失われ)、一方で共に敗北したマッチは一切キャンセルされません(よってMMRは失われたままとなります)。
これは、チーム内にチート使用者がいることをそのチームメイトが知っていた場合は問題にはなりません。しかし、アカウントがチート使用者によってハッキングされているケースや、チームメイトがチート使用者の存在を認識していないケースが多く、真っ当なプレイヤーにとっては極めて迷惑な結果となる可能性があります。
今後: 最近導入されたMMRのリセット機能によって、先述のMMRロールバックに関する懸念の一部は解消されます。MMRロールバックが一定規模以上である場合、影響を受けたプレイヤーはMMRがリセットされ、プレースメントマッチをやり直す必要が生じます。今後は、チート使用者が勝利したマッチのみをロールバックすることで、他にどのようなリスクが生じるのかを検証していきたいと考えています。
3.7. ストリーマーモード
懸念事項: ストリーマーの匿名性をしっかりと担保することで、ストリームスナイピングなどの不正を排除し、ストリーマーのゲーム体験を守りたいと考えています。
課題: 現在いくつかの選択肢を模索しており、ストリーマーモードが有効な場合に、外部に対する匿名性を確保しながらも、内部からはプレイヤーを特定できる状態を維持する解決策を見つけようとしています。
今後: 現在、一部のストリーマーとのディスカッションによって浮かび上がった解決策の可能性を検討しています。今のところ感触は良好ですが、この機能には可能な限り強固なセキュリティを持たせ、匿名性を損なう回避法がないことを保証しながらも、別のIDが使用された際にもプレイヤーとプレイヤーデータを追跡可能な状態にする必要があります。引き続き設計の見直しと検証を繰り返し、この機能をよりよい形で皆さんにお届けできるよう努めてまいります。
私たちは、コンテンツ作成者がコミュニティとコミュニケーションを取り、自分たちの熱意を安全に表現できるツールを提供できるよう尽力しています。同時に、引き続き皆さんからのフィードバックを集め、システムをより堅固でプレイヤーの期待に沿うものにしていきます。
4. アクセシビリティ
課題: プレイヤーのアクセシビリティは、今後のシージのさらなる発展のために重要な要素です。私たちはアクセシビリティの向上に向けて、色覚異常に本格的に対応したシステムを構想しています。これは、プレイヤーがクレイモア、レーザーサイト、カメラライトなどの色を選択できるようにするシステムです。また、適切なフィードバックを得るためにプレイヤーがどちらのチームにいるかも考慮しています。
以前に色覚異常への対応に取り組んだ際、色覚異常を持つプレイヤーにテストしてもらいましたが、期待どおりの結果には至りませんでした。フィルターだけではほとんどの問題を解決できず、場合によってはさらなる問題をも生じさせることが判明したのです。そのため、全範囲の色を選択できる適切なソリューションを実装する必要がありました。このレベルでのカスタマイズには、複数の要素を分離して動的な再カラーリングを実現する必要があり、私たちはこの重大なタスクを細分化して進めていくことにしました。
色覚異常に関する課題は、近日中に再検討する予定です。まずは、射撃体験の向上にフォーカスして照準時のレティクルの色を見直し、そこから何ができるかを検討しようと考えています。可能な限り早く続報をお届けできるよう努めてまいります。
この取り組みは、柔軟かつ包括的なシステムを導入するための第一歩です。現在アクセシビリティチームは、「通信と映像アクセシビリティ法(Communications and Video Accessibility Act)」の内容を本作に反映させることに多くのリソースを割いています。これには、色覚異常の対応のみならず、他のアクセシビリティの改善も含まれています。
5. 煙の伝搬に関する問題
懸念事項: 現在のところ、ゲーム内の煙の挙動は不安定で混乱を招くものとなっています。主な問題は、狭い屋内環境が現状の煙伝播システムとうまく噛み合わず、リアルな煙の動きを表現できていないという点です。その結果、煙がすり抜けてしまう不具合が頻繁に発生し、Smokeのガジェットがダメージを与えてしまうような問題を引き起こしています。
課題: これまで、リワークしたCapitãoの火炎伝播システムを応用することで、煙の挙動に関する問題の解決策を探ってきました。しかし、このシステムはスモークグレネードやSmokeのガジェットなどの大規模で高密度なガスを扱うことを想定して設計されたものではありませんでした。そのため、Capitãoの火炎伝播システムをこの種の煙に適用すると、パフォーマンスの大幅な低下が発生し、ゲームプレイやプレイ体験に悪影響を及ぼしてしまいます。
今後: このシステムにいくつかの小規模な修正と回避策の実施を試みましたが、満足のいく結果が得られなかったため、私たちは煙伝播システムを刷新する必要があるとの結論に達しました。これには、安定したフレームレートと高品質なグラフィックの両方を担保するために、グラフィックとエンジンを見直す大規模な作業が伴います。したがって、本件は作業に必要な時間とリソースが確保されるまで一時保留としています。皆さんには続報があり次第、随時お知らせします。
6. ドローンに関する問題
懸念事項: 度々ドローンに関する不具合が発生しています。内容は様々ですが、ドローンの使用と情報収集は本作の重要な要素であるため、こうした不具合はプレイヤーのモチベーションを阻害してしまいます。
課題: ゲームの発展に伴い、ドローンのシステムは非常に複雑化してきており、その可動部分も増えています。そのため、ドローンに新たな変更を加えると、意図せずシステムの別の部分に影響を与えてしまう場合があります。
今後: 今後もドローンに関する不具合は発生次第対応にあたり、可能な限り速やかに修正できるよう努めてまいります。
また、ドローンシステムは今後新たなガジェットv2システムへと移行し、システムの単純化・効率化・分離化を進める予定です。一部のガジェットは昨年内部的にこのシステムに移行済みですが、今後も同じ手法ですべてのガジェットを改善し、悪用への耐性を高めるとともに、繰り返しの使用をよりスムーズにしていきたいと考えています。また、自動テストの追加により、リグレッションが発生した場合は瞬時に特定できるようになります。ドローンシステム(またはゲーム全体)との複雑な相互作用によって発生する不具合も存在しますが、ガジェットv2システムへの移行が完了すれば、こうした複雑なケースにも対応できるようになる見込みです。
次なる計画
長文となりましたが、ここまで私たちの長期的な目標と今後に向けた約束をお読みいただきありがとうございました。最後に朗報として、近い未来に予定されている内容をご紹介します。コミュニティからの要望を受け、近日中にマッチリプレイシステムのアルファ版やマップのPick & Banをはじめとする様々な刷新を予定しています。他にも、名声システムやPING 2.0など、導入を控えているものが数多くあります。今後も、皆さんと一緒にこのゲームを作り上げていくのが楽しみです!
「レインボーシックス シージ」の最新情報は、引き続きパッチノート、開発者ブログ、デザイナーノート、記事「最優先課題とコミュニティの懸念点」、シーズンごとの公開情報をご覧ください。今後は、チート行為や接続性、マッチメイキングといった主要なトピックについて、プレイヤーとのコミュニケーションの改善を図っていこうと考えています。この内容を取り上げた開発者ブログは、近日中に公開予定です。