2019912

Mira 'インスピレーション': 回想

パパが初めてミュージアムに連れて行ってくれたのは私が2歳のときだった。私が頻繁におばあちゃんを訪ねたがっていたから、毎週金曜には晴れでも雨でも会いに行っていた。パパにとっては私をガレージから追い出すのにちょうど良かったんだと思う!でも私が大きくなるにつれて、祖母への訪問は徐々に大事じゃなくなっていった。

“時が経てばどんな傷も癒えるという。そもそも誰とも親しくならない人間はどうなるの?”

祖母の人生を思い起こすと、自分があまりにも知らないことに気付く。幼少期の思い出は彼女の笑顔ばかりで、彼女の夢も願いも、畏れも思い及ばない。私が心底大好きなのは彼女の思い出が父親の瞳に光となって宿っていること。父の心の中では祖母がまだ生き生きとしているのだ。今では訪ねる度に何時間でも思い出話に耳を傾けている。あの光を私も継ぎたいと思いながら。

戦死者の数だけでは何があったのかまでは決して語られない。条約が締結されれば犠牲者についても触れられることはない。残念ながら、古傷や思い出はもっとずっとゆるやかに疼き続けるものだ。私たちが理解することはできないまでも、記憶することはできるし、もしかしたら、あんな悲劇を二度と起こさないようにはできるのかもしれない。

-- スペシャリスト エレナ・“Mira”・ マリア・アルバレス

“ 過去は私たちの未来を見通すレンズになる。インスピレーションと好機は内省と観察から生まれる “

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