今回の「デザイナーノート」では、Y6S2.2パッチに反映されるバランス調整についての詳細と、その変更の理由に関する情報をお伝えします。
バランス表とBAN率の高いオペレーター
勝利デルタ VS プレゼンス
オペレーターの人気を計る基準には、プレゼンスの値を参照しています。これはPick & Banの導入を受け、その影響を反映するために考えられた措置です。
プレゼンスの定義: BANされていない時のオペレーターのPick率。勝利デルタ: 勝利デルタは、オペレーターの爆弾エリアごと勝利デルタから算出されます。
オペレーターのBan率
オペレーターのバランス調整
ALIBI
- ACS12に2.0xスコープを追加(1.5xスコープを削除)
- MX4 Stormに1.5xスコープを追加
変更の対象となるプレイヤー層: カジュアル、トップランク、プロ
頼もしいメインウェポンにサブウェポンのショットガン、展開型シールド、インパクト、スピードなど様々な強みを備えていますが、バランス表でのAlibiのプレゼンスは低いままです。スコープの変更によって、彼女が新たな役割で活躍できることを期待しています。
特にローミングにおける有用性が上がり、キル重視のプレイヤーにとって魅力が増したはずです。
FROST
- C1から1.5xスコープを削除
- 変更の対象となるプレイヤー層: カジュアル、トップランク、プロ
現状のFrostは防衛オペレーターの中でも最高の勝利デルタを誇り、他の防衛オペレーターと比べてキルデス比も非常に高くなっています。長めの距離での優位性を抑え、他のオペレーターと性能を揃えるため、C1から1.5xスコープを削除しました。
とはいえ、これだけでFrostというパズルが解けたわけではありません。彼女の強さの一因がウェルカムマットにあることは分かっています。ですがそちらにフォーカスする必要があるかを判断する前に、まずは彼女の銃がどのような役割を担っているか理解したいと考えました。そのため、彼女のパフォーマンスの変遷は今後も注視していきます。
TACHANKA
- 展開型シールドを追加(感知アラームを削除)
- シュミハランチャーの弾薬が10発から14発に増加
- DP-27の破壊性能を改善:
- 0~4.99m: ショットごとに半径0.3の穴
- 5~7.99m: ショットごとに半径0.2の穴
- 8m以上: 3発撃って半径0.2の穴
変更の対象となるプレイヤー層: カジュアル、トップランク、プロ
Tachankaは楽しく使用できるオペレーターのはずですが、現状のバランス表ではプレゼンスが極めて低くなっています。その理由の1つは、シュミハランチャーを有効活用できる場面が限られており、発射時に無防備になり得る点です。弾薬数を増やしてより積極的な使用を促すことに加え、ランチャー使用時に身を守れるよう展開型シールドも追加しました。
Tachankaの性能改善はそれだけではありません。DP-27が中距離からより大きな穴をあけられるようになったので、展開型シールドの防御力も合わさり以前よりも強力なアンカーになっているはずです。
ZOFIA
- M762の反動を制御しにくく調整
- 垂直反動が増加
- 水平方向の集弾性を左寄りに調整
- ロングバースト時の反動は12発目ではなく8発目から発生
変更の対象となるプレイヤー層: カジュアル、トップランク、プロ
バランス表ではZofiaが非常に高いプレゼンスを維持しています。その要因の一部となっているのが、キル性能の高さとM762の使い勝手の良さです。他のオペレーターと水準を揃えるため、M762の反動を強化して制御を難しくしました。具体的には垂直方向の反動が大きくなり、水平方向の集弾性が左寄りになります。
この調整の新しい点(そして皆さんの意見を伺いたい点)は、水平方向の弾の散らばりが他の銃に比べて強くなるものの、ランダム性の低下によって予測はしやすくなることです。つまり、最初はコントロールが難しくても、経験を積むことで反動パターンを把握できます。
確実なキルに結びつけるには卓越したコントロールが必要となるため、この調整によって、強力で扱いやすいメインウェポンと便利なガジェットの両方を備えていたZofiaの万能性が緩和されることを期待しています。ガジェットの有用性に変わりはありませんが、扱いやすいキル重視の攻撃オペレーターを求めるプレイヤーにとっては、AceやSledgeやIanaがより魅力的になるはずです。
NØKK
テストサーバーで試験を行った結果、Nøkkのバランス刷新はひとまず保留とすることにしました。
このアイデアの当初の狙いは、最近追加されたガジェットやアビリティと彼女の能力がどのように作用し合うかを調整し、透明化能力を拡張して彼女の活躍機会を幅広くすることでした。
Nøkkは現状でも既に探知するのが難しいオペレーターです。彼女はカメラに映らず、音も立てません。対探知性能をこれ以上加えるとしたら、代わりに何かしらの弱体化が必要でしょう。敵にまったく見つからずに爆弾までたどり着けるオペレーターというのは、さすがに行き過ぎています。
最近ではHELプレゼンス・リダクションからノイズ抑制能力を取り除こうとしたことがありました。しかしこの時は、代わりに実装された近接センサーの無効化能力よりもノイズ抑制のほうがプレイヤーに歓迎されていたことが分かりました。それも当然のことで、近接センサーの無効化が役に立つかどうかは防衛側のチーム構成次第なのに対し、ノイズ抑制にはより普遍的な有用性があったのです。
また、ガジェットは常に信頼できるものであるべきだとも感じています。試験的に近接センサーの無効化能力を追加しましたが、それによって新たに追加された道具の信頼性が失われてしまうのは避けたい事態です。
そのため、この変更についてはひとまず保留とし、皆さんの好きなこれまで通りのNøkkを維持しつつ他の可能性を模索することにしました。
今回の変更点をテストサーバーでご確認いただき、建設的な意見を寄せてくれた皆さんに感謝します。いただいた意見を参考にしながら、今後も皆さんに喜んでいただける調整を行っていきます!
武器のバランス調整
ACS12
- ダメージが59から69に増加
変更の対象となるプレイヤー層: カジュアル、トップランク、プロ
現状ではACS12の使用率が極めて低くなっています。特にALDAやMx4と比べるとACS12のキル性能の低さは顕著なため、ダメージを強化しました。これにより他の同種武器との性能差が軽減され、ACS12の有用性が増したはずです。
ダメージの減衰値に変化はありません。
TCSG-12
- ダメージが57から63に増加
変更の対象となるプレイヤー層: カジュアル、トップランク、プロ
ACS12同様、TCSG-12も使用率が極めて低くなっています。有用性を高めるため、こちらもダメージを強化しました。
GoyoとKaidは既に有能なオペレーターであるため、この変更で彼らのキル性能をさらに上げる意図はありません。ダメージ力は増しましたが、これでもまだリリース時のTCSG-12よりは弱くなっています。この調整であれば、装備を決める際の選択肢を提供しつつバランスも保てるはずです。