2019 August 21

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バランス考察:桜(Year 3:シーズン2)

戦士の皆さん、こんにちは!今回はゲームバランスに関する連載シリーズのYear 3 シーズン2版をお届けしてまいります。この記事では、つい先日終了したシーズンの結果をバトル開発チームが分析し、今後のゲームの方向性について説明します。

本稿では、各ヒーローの勝率と選択頻度に関するデータをコミュニティの皆さんにお届けしましょう。データから得た見解を元に、チームが認識しているバランス問題を分析したり、今後のシーズンでどのように活かしていくかを語ります。

(こちらで提示しているデータの取り扱いに関する詳細は、「バランス考察」の方法 をご覧ください。今回から「全体勝率」列の算出方法を変更しました。今までは単純な平均値を採っていましたが、今回から各キャラとの対戦数によって数値に重み付けをして算出しています。発生確率の高い対戦数によって数値に重み付けをしたことによって、より正確にマッチメイキングの現状が反映されるものと思われます)

それでは早速データを見ていきましょう!

デュエル – 勝率

Season_10_Duel_Win_All_Weighted
S10_Duel_Win_Top_Weighted
CommunityTierList_Duel

注: 今回の「バランス考察」に使われているティアリストは、「桜」(Year 3:シーズン2)中に発表された最終バージョンとなる、2019年5月31日付けのものを使っています。記事内のティアリストの画像はすべて、この日のバージョンから取ったものです。

レイダー、守護鬼、ロウブリンガーは、どれも過去2シーズンにわたって大幅に強化されたため、全体およびプラチナランクの両方においてトップ4%の仲間入りを果たしました。ティアリストでは、レイダーのみがSティアとなっており、ロウブリンガーはそれより低いAティア、守護鬼にいたってはBティアのままであることが判明しました。この違いの一因として、全プレイヤーは動作の無効化(転がることなどによって)が可能であるかを判断できるまでに、長時間を要していることが考えられます。例えばYear 3:シーズン2の期間中、ロウブリンガーと守護鬼のブロック不能強攻撃フィニッシュは、後ろに転がることで無効化できました。ところが、全プレイヤーは多くの場合、こういった攻撃の防御を試みているようです。そのためブロック不能、フェイント>ガード崩し、天魔の抱擁などに敗れてしまっています。ティアリストのトップレベルプレイヤーは、そのような不要なリスクを避けています。Year 3:シーズン3では、脱出手段の安全性を下方修正するために多くの変更を施しました。これからは全プレイヤーとティアリストのプレイヤーのどちらも、同じ攻撃に対処しなければなりません。これによって、全プレイヤーデータとティアリストの両方において複数のヒーローの順位が上昇するものと考えています。

人斬りは、全体およびプラチナランク以上のリストの両方で最上位近くに入りました。ただし、ティアリストでの人斬りの順位はそれよりも少し低く、Aティアとなりました。これは、最高レベルのプレイにおいて、人斬りが有力なヒーローとされている証拠だと言えます。これは以前にも見られたパターンです。武林の者とブラックプライアの登場時には、どちらも全体およびプラチナランク以上のリストの両方において上位に入りましたが、次のシーズンが進むにつれて標準的な期待値へと収まりました。シーズン11が進むにつれて、人斬りがどのような結果を出してくれるのか、注意深く見守っていく予定です。

将軍とブラックプライアは、現在も各リストの上位に収まっていますが、最上位ではなくなりました。どちらのヒーローも強力であることに変わりはありませんが、もともと期待されていたポジションに落ち着いたといえるでしょう。将軍の全体勝率は、Year 3:シーズン1の63%から、Year 3:シーズン2では57%に減少しました。ブラックプライアも同様で、YEAR 3:シーズン1での勝率は55%でしたが、シーズン2では53%に減少しました。新登場のヒーローが次のシーズンで見せる通常の勝率の減少傾向をなぞっています。これは、新登場のヒーローとしては妥当な線であると思われます。

以上で述べた理由により、新登場のヒーローを弱体化しすぎないように心がけています。プレイヤーが新登場のヒーローの扱いに慣れてくると、勝率が下がる傾向にあります。そのため、強すぎると感じられる程度が長期的には適切なのです。

ウォーデンは興味深い例です。ウォーデンは、全体のランクデュエルで最下位となっており、ティアリストから読み取れる情報とは正反対です。ティアリストによれば、なんとウォーデンはデュエルで最強のキャラクターなのです。トップ4%のデータにおいても、ウォーデンの勝率はティアリストから予想されるものより低くなっています。バーサーカーなど、ティアリストで最上位付近に食い込んでいる他のヒーローも、ランクデュエルの順位は非常に低くなっています。これは、ティアリストには常にトップレベルのトーナメントでのプレイが反映されていることが原因と思われます。ほとんどのプレイヤーよりはるかに強力なトップ4%のプレイヤーでさえも、常にトップのスキルレベルでプレイしているとは限りません。

ドミニオン – 勝率

Season_10_Dominion
CommunityTierList_Dominion

将軍と忍は現在もSティアに留まっていますが、野武士がS+ティアに昇格しました。Year 3:シーズン3の開始時点では、この3人を下方修正して安全性を下げ、トップレベルのプレイにおいて「ほぼ必須」の選択肢とならないようにします。これによって、チーム構成の幅が広がり、トップレベルのプレイスタイルが多様化するものと期待しています。全体データによれば、野武士と忍のパフォーマンスはトップレベルを下回っていますが、トップレベルにおける有効戦術の定義となるヒーローを優先することで、ゲーム全体のバランスがより適切になると思います。

レイダーと人斬りはどのデータでも上位に入っています。この2人は、Year 3:シーズン2で登場または強化されたヒーローで、あらゆるレベルで活躍しています。人斬りのオープニング強攻撃における阻止不能スタンスのタイミングと、レイダーの攻撃力は注目すべき点です。

ロウブリンガーは、ほとんどのプレイヤーの想定を大幅に上回る活躍ぶりで、Year 3:シーズン2での強化は過小評価されていたようです。ドミニオンやデュエルでも、ロウブリンガーは優れた活躍を見せています。Year 3:シーズン3では、脱出手段を弱体化してブロック不能強攻撃フィニッシュを強化したので、今後もロウブリンガーはほとんどのプレイヤーの想定を上回る活躍を続けるでしょう。

忍とシャーマンは全体データでは未だに低調ですが、トップレベルでは活躍しています。忍とシャーマンはティアリストで特に優れた成績を示している一方で、全体データで見るとアサシンはどれも低調です。忍とシャーマンは、全体とトップレベルでは根本的にプレイスタイルが異なるようです。トップレベルの忍は遠隔攻撃のガードブレイクで距離を取って戦う時間が長く、トップレベルのシャーマンは反撃を許さない圧倒的な攻撃を成功させることを中心に立ち回っています。この2種類のヒーローに見られるデータ間のパフォーマンスの差は、この効率性にあると考えられます。

アサシンは引き続き全体的に低調です。リフレックスガードで防御を成功させるのは難しく、剣闘士は通常より短いリフレックスガード時間が未だに難点となっています。

ブリーチ – 勝率

Season_10_Breach

アサシンは、これまでのシーズンと同じく、ブリーチとドミニオンでは全体的に低調です。理由は同じで、ブリーチでは1対1のゲームプレイよりも、槍兵、拠点の守り、指揮官、目標に重点が置かれているためです。アサシンにとってはドミニオンよりも状況が不利になりがちで、リフレックスガードのせいで外部からの攻撃への立ち回りが難しくなります。

ドミニオンとブリーチの勝率と選択頻度は似通ったデータを示しています。一部に例外もあり、例えば野武士の選択頻度はドミニオンの方がブリーチより高くなっています。これは恐らく、野武士はドミニオンのレーンには最適ですが、ブリーチでは槍兵の耐久力が高いため、ドミニオンほど効果的には活躍できないためでしょう。

注:現在、ブリーチにはコミュニティのティアリストが存在しないため、今回のバランス考察には含まれていないことをご了承ください。

選択頻度

Season_10_Duel_Pick

選択頻度から読み取れる情報を、いくつか以下に示します。

ウォーデンと大蛇は現在も二強を占めるヒーローです。この状況はずっと以前から続いており、今後も変わることはないでしょう。ウォーデンは最も使いやすいヒーローであり、大蛇は侍の中で最も象徴的なヒーローだからだと思われます。

剣聖、レイダー、センチュリオンも、モードやスキルレベルを問わず、しばらく前から選択頻度リストの上位に入っています。

人斬りが選択頻度リストのトップに入っています。これは前のシーズンでのブラックプライアと同様です。プレイヤーに処刑人というテーマが好まれており、また阻止不能スタンスが役立つことから多く選ばれているようです。

今後の課題 – 有効戦術の変化?

**連続技からの脱出の安全性が高過ぎることが問題です。**これによって多くのキャラクターの連続技が無効化されています。また、これがトップレベルとそれ以外のプレイヤーの間で、一部ヒーローのパワーレベルの認識に大きな差が生じる原因だと考えています。Year 3:シーズン3では、相手に距離を取られないようにするために前後の平行移動の速度を標準化し、転がる相手はフェイント>ガードブレイクで捕らえやすくすることで、多くの連続技が機能するようになりました。これからは、特にトップレベルのプレイにおいて連続技が成功しやすくなると期待されます。

ドミニオンのS+ティアのヒーロー(野武士)将軍は、どれも安全な防御手段がYear 3:シーズン3で弱体化されています。野武士はかなり以前からトップレベルのプレイで中心的な存在であり、有効戦術を定義する存在でもありました。この3人はどれも安全性が比較的高かったため、弱体化によってプレイスタイルのバランスが取れるようになり、チーム編成の多様性にもつながると考えています。

以上の変更によってゲームプレイがどのように変化するか、注意深く見守ります。相手が自由に脱出できなくなるため、デュエルがよりダイナミックになることでしょう。特にチェーン攻撃が面白くなりそうです。また、一部のヒーローの弱体化によって、ドミニオンにおけるチーム編成の幅が広がることを期待しています。今後はテストグラウンドを活用して、さらに多くのヒーローの有効性を高めたいと考えています。

まとめ

皆さんには、全プレイヤーデータやプラチナ以上のデータ、上位4%データ、コミュニティティアリストについて、もっとご意見をお寄せいただきたいと思っています。私たちが何かを決断する時は、これらすべてのデータや情報、フィードバックなどの様々な要因を考慮に入れています。

これからも、フィードバックをお送りください。次のバランス考察は「Year 3:シーズン4」の開始時にお届けする予定です!

  • バトル開発チーム