『アサシン クリード シャドウズ』は先日発売されました!今回もゲームプレイの概要記事を通して、本作をさらに深掘りしていきたいと思います。これまでステルス、戦闘、パルクール、探索、そして成長システムについて紹介してきましたが、今回は本作におけるプレイヤーの家、そして拠点として機能する「隠れ家」について紹介したいと思います。隠れ家はシリーズ初となる、完全カスタマイズ可能なサンドボックス。奈緒江と弥助の旅を通じて2人に力を授け、思いのままに建設や装飾をすることができます。
今回も『シャドウズ』のシステムアソシエイトディレクター、Danyをゲストに迎え、さらに掘り下げていきたいと思います。それでは、詳しく見ていきましょう!
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和泉・摂津の秘密の谷
隠れ家は和泉・摂津地域の人里離れた谷にあります。周囲を険しい丘陵に囲まれ、岩場の細い道を縫うようにして進むことでしかたどり着けません。そもそも誰も知る人がいないか、大半の人が忘れてしまっている場所のため、徐々に拡大する忍衆が任務を進めるための拠点とするのに最適です。
物語の序盤に奈緒江の知人、そして伊賀の仲間として出会うとみが、この場所の世話をしています。賢く、働き者のとみは、これまでもこの場所を維持するために全力を尽くしてきましたが、これからは奈緒江と弥助がとみを手伝い、旅を通じて物資を持ち帰ることで、これまでひっそりと存在していた秘密の谷が、ついに教団史上最もクールかつ、精緻な隠れ家となるのです。
「なかなか野心的な試みです」と、Dany。「これまで砦や村、家、海賊の洞窟、カフェ・テアトル、機関車、船、居住地、アサシン支部など、さまざまな場所が登場しました… この流れで新しいものを作るならば、大胆な試みをしなければならないと思っていました。そこで、プレイヤーが自由に建築できる本拠地を取り入れようと思いついたのです」
ひとかどの土地
プレイヤーはすでにある程度のインフラが整ったとみの敷地に完全カスタマイズ可能なひとかどの土地を与えられ、建物、作業場、通路、茂み、木、池、苔むした岩、動植物、そして旅の途中で発見する数えきれない数の日ノ本独自の装飾品などを自由に設置できます。
「プレイヤーに自分だけの隠れ家を作ってもらいたいんです」と、Danyは言います。「カスタマイズ用のコンテンツのほとんどが冒険の途中で解除されるので、選択肢が広がるにつれて、旅の歩みを実感できるはずです。建設ツールは使いやすく、誰でも素早く簡単に設計することが可能ですが、一方で思い描くものを形にしたいと思えば何時間でも費やせるほど奥が深いものにもなっています」
隠れ家は序章を完了した後、とみと出会うことで利用可能となり、以降は日ノ本の各地を旅するうえで欠かせない拠点となります。仲間との出会いや交流の場、そしてさらなる成長を遂げる場として利用しましょう。ゲーム中に報酬として入手した物を飾ることもできます。
隠れ家の建設は自身の想像力を最大限に発揮できるだけでなく、作業場を建てたりそこで武具のアップグレードを行ったりすることで実際のプレイにも影響を与えます。
##建設の始め方
隠れ家に新しい建物をつくるには、まずは日ノ本の各地で見つかる3種類の物資、材木、石材、藁を集めなければなりません。建設やアップグレードにはこれらの資源のほか、ゲーム内通貨である「銭貨」(単位:文)が必要です。
探索の記事でも紹介したとおり、プレイヤーは少量の蓄えならばワールド内で見つけて直接入手することもできますし、大量の蓄えを見つけたら、密偵があとで回収できるように印を付けておいて、季節の終わりに手に入れることもできます。
「プレイヤーには季節の移ろいを感じてもらいたいと強く思いました」と、Dany。「物資集めを季節の変化と結びつけるというアイデアは自然に湧きました。これにより隠れ家に戻り、旅で集めた物資を見直し、そこに住む人々と交流して… というふうに、プレイにリズムが生まれます」
カスタマイズの基本
クエスト、依頼、アクティビティを完了すると、報酬としてさまざまな装飾要素を手に入れることができます。その他の要素は各地の商人の店で購入したり、敵陣に忍び込んでいる最中に直接奪ったりすることで獲得できます。あちこちで墨絵を描くことで、さまざまな動物を隠れ家に連れてくることも可能です。
屋外用装飾品
屋外用装飾品はその名のとおり建物の外にのみ設置できるオブジェクトで、道、灯り、柵などのサブカテゴリーに分けられます。それぞれのオブジェクトや建物は使用するマス数が決まっており、マスが空いている限りは好きな場所に配置したり、向きを変えたりすることができます。
「本作にはいろんな装飾品が登場します」と、Dany。「素朴な庭石からより複雑な大型のものまで、その種類はさまざまです。旅の途中でこうした装飾品を見つけると、次に隠れ家を訪れたときにどうやって使おうか、つい考えてしまいます。改修中に何か閃くかもしれませんしね」
設置できるものは、移動も削除も自由。気が向いたときにいつでも隠れ家の雰囲気を変えたり、気軽にいろんな配置を試したりすることができます。
隠れ家にはさまざまな建物・部屋を設置することができます。その中には奈緒江と弥助の成長を促す独自の機能が備わっているものもあり、それらは機能の効果をさらに高めるため、時間をかけて改良することもできます。
##主たる建物
広間
プレイヤーが最初に隠れ家を利用できるようになった時点で、とみの母屋と広間はすでに建てられています。広間は隠れ家にとって不可欠な施設で、隠れ家のもっとも大事な機能を素早く利用できるようになっています。見た目を変えることは可能ですが、広間そのものを移動したり、削除したりすることはできません。
厩舎
厩舎をアンロックすると、敵の陣地や城に潜り込んだときに印をつけた資源に密偵を派遣して回収することができるようになります。この機能を活用すると、季節の終わりごとに追加資源を受け取ることができます。
鍛冶場
鍛冶場を設けると武器や防具を改良できるようになります。自身の成長に合わせて武器や防具の強さを維持するためには欠かせない要素です。要らなくなった防具や武器を分解して元の材料に戻したり、既存の武具に新たに特殊効果を付与したり、所持品メニューから直接見た目を変えられるようになる外見変更メニューを解除したりもできるようになります。
隠れ処
日ノ本の各地にある隠れ処を購入し、自分のものにできるようになります。隠れ処を手に入れると、隠れ家の機能を離れた場所からでも利用できるようになるほか、敵地から離れたファストトラベル地点がアンロックされます。各地の依頼ボードなど、一部の機能も利用できます。探索の記事でも紹介しましたが、隠れ処は道具や密偵を補充したり、次の任務に連れていきたい仲間を管理したりするのに最適です。
書斎
書斎をつくると密偵の最大人数を増やすことができ、その情報網を拡大できます。密偵が多くなればなるほど、ワールドマップ内で特定の目標を探すための捜索範囲を絞り込むことができ、目標の探索を効率よく進められるようになります。
道場
道場を設けることで戦闘中に呼べる奈緒江や弥助の仲間を鍛えられるようになり、ランクを上げてそれぞれの固有スキルの威力を強化できるようになります。
##その他の建物
上記で説明した以外にも、隠れ家に雅な雰囲気を与えて自分らしさを表現できるだけでなく、いくつかの重要システムやステータスブーストを利用できるようになる建物もあります。
寺
隠れ家に寺(祭壇)を追加すると活動中の獲得経験値が増え、XP 10%ブーストの効果をもたらします。
神社
各地で見つかる神社や社はお参りするとささやかなご利益として、数分間のステータスブーストを獲得できます。隠れ家に神社を建てると、日ノ本で見つかるすべての社のご利益の効果を上げられます。
納戸
寝泊りや私物の保管に使う納戸は、密偵をリフレッシュさせるためのコストを抑えることが可能で、この効果はすべての隠れ処に適用されます。
座敷
酒を飲むための自分専用の部屋が手に入る、というクールな機能だけでなく、奈緒江と弥助の糧食の効果(体力回復)を高めてくれます。
茶室
座敷と同じく糧食の効果を高めることができ、座敷と組み合わせることでさらに効果を高めることができます。
床の間
プレイヤーが手に入れた防具や武器を展示する場です。他にも、装備一式を決定し、あとでまとめて装備できるようその組み合わせを保存する機能が解除されます。
普通の部屋
上記以外にも衣装や掛け軸などを飾るため、さまざまなレイアウトの部屋を使うことができます。
建物をつなげる
建物や部屋は、隣り合わせに配置することでつなげることができます。また、道場の場合は、屋根付きの通路を設置することでつなげることもできます。自由に部屋をつなげたり離したりできるので、中庭を作るも、複雑な屋敷を作るも思いのまま。形も長さも広さも好きに作れます。
「当時の建築様式に沿って、建物をつなぐことが可能になりました」と、Dany。「そのおかげでスペースを効率的に使用したり、自分好みの間取りを作ったりすることができるので、幅広いレイアウトを楽しめます」
室内のカスタマイズ
室内の装飾については、各部屋の建築様式を数種類の選択肢から選べて、床や壁などの細かい要素も変えられる楽しみがあります。集めた防具や絵画を飾ることも可能です。それぞれの部屋に独自の雰囲気を与えて、思い思いの空間を作りましょう。
かわいらしい動物の仲間たち
日ノ本の各地でさまざまな種類の猫や犬を撫でて手なずけると、動物たちを隠れ家に連れてこれるようになります。もちろん、子猫や子犬も飼えます!
また、探索の記事で紹介した墨絵を描くことで、小鹿、狸、狐といった一部の野生動物を隠れ家に連れてくることができます。ほとんどの動物を撫でられるのも嬉しいポイントです。
「各地にはすでにこうした愛らしい生き物がたくさん存在しています」と、Danyは言います。「旅の途中で遭遇すると、誰もがやっていたことを忘れ、しばし見入ってしまうはず。そうした動物たちと隠れ家で触れ合えるようにしたのは、当然の流れでした」
自分だけの一党を作ろう
隠れ家には当初、非常に限られた数の人間しか住んでいません。しかし、物語が進み、プレイヤーが各地を探索するにつれて、急激に変化していきます。密偵や刀鍛冶、剣客など、独自の過去と乗り越えるべき試練を持つさまざまな人たちが奈緒江と弥助の大義に共感し、仲間に加わるようになるのです。
隠れ家での暮らし
勧誘した仲間は大半の時間を隠れ家で過ごし、労働に勤しんだり、休息したり、訓練をしたり、思い思いの行動をとります。新しい部屋を建てることで、彼らの行動の幅を広げることが可能です。たとえば武道に長けた仲間であればより長い時間を道場で過ごしたり、酒好きな仲間であれば座敷でくつろいだりする姿が見られるかもしれません。
隠れ家に施設を増やしたり拡張したりすることで、仲間たちと会話する機会が増やせます。こうした会話は隠れ家で過ごす時間をより有意義なものにし、豊かな体験を生み出すきっかけになります。全体的に、隠れ家は奈緒江と弥助が壮絶な旅の合間に息抜きできる安全な場所として機能します。
「仲間を一ヶ所に集めることで、キャラクターを成長させる機会が生まれます」と、Dany。「世界各地の4つのスタジオから集めたライターたちを一堂に会し、『この2人のキャラクターが突然同じ部屋で生活するようになったら、どんな話をするだろう?』といった質問をしながらさまざまな会話を作りました。彼らのおかげで、面白い場面をたくさん盛り込むことができました。隠れ家が忍衆の生き生きとした拠点であることを感じられる仕上がりだと思います」
以上が隠れ家の概要となります!
これまでさまざまな角度から『アサシン クリード シャドウズ』のメイン要素を掘り下げてきましたが、お楽しみいただけましたでしょうか。ここまで読んでくれた皆さんと、アサシンブレードのファンの皆さんに、感謝と愛を捧げます。皆さんが戦国時代で繰り広げる冒険を目にしたり、聞いたりできる日を、開発チーム一同、心より楽しみにしています!
\『アサシン クリード シャドウズ』シニアデザインチーム
Charles, Simon, Julien, & Dany